最近、ブログに送られるメッセージがなぜか急増していて、返事ができる確率が下がっていることをお詫びしたい(原則的に返事はブログ上で行い、プライベートな返事はしていないこともお断りしておく)

私がかねてから信頼している社会学者に山田昌弘さんという方がいる

パラサイトシングルや希望格差社会の著者であり、名づけの親といえばぴんとくる人も多いだろう

実は、その山田昌弘さんと森まゆみさんと婦人公論という雑誌で対談をした

この雑誌の記事がどんなものになるのかわからないし、勝手に書いていいのかも実はわからないが、私が非常に衝撃を受けた話があるので、山田さんに聞いた話を少し紹介したい

で、いつまでも子どもにパラサイトをさせてはいけないというようなテーマだったのだが、山田さんが今の社会情勢を考えると、そうとも言い切れないというような話をなさった

今から15年ほど前に山田さんが『パラサイトシングルの時代』を書いたころには、確かにパラサイトに余裕があった。ここで描かれるパラサイト・シングルのOLというのは、自分も正社員なのに、親元に住み、家賃も払わず、ボーナスはまるまる買い物や旅行にあてられた

確かにOLがエルメスのバッグを平気で持てていた時代だ。バーキンやケリーは3年くらい待たないと買えなかったし、本来、ブランドの安売り店のような店が20%くらいのプレミアをつけて現物を売っていた。

今のパラサイトの人の多くは、非正規雇用だったり、失業していたりで、パラサイトしていないと生きていけない人だそうだ

それは実感としてわかる

そして、そのままパラサイト生活から抜け出せない

親のほうが金をもっているという状況は、変わらない

そのくらい非正規雇用の人が正規雇用してもらうのは難しい

ところが親が正社員であったなら、年金生活になっても厚生年金や企業年金で、定年退職後も月に40万円くらい平気でもらう

もちろん、このパラサイトしている子どもが男の場合、その収入故、結婚もできない

このパラサイト状態が続いたまま、親が要介護状態に陥ったら、さらに親の介護に追われ、両親が死んだときには自分が70歳近くになっている

このときには、パラサイトできるものはなく、自分の年金はよくて国民年金、悪ければ、無年金だ

こんな人生でいいのか

山田先生によると、そういうところから抜け出すチャンスがどんどん小さくなっているという

格差を是正して、生涯教育のチャンスを増やしていかないと、この国は大変なことになる

若者の半分が正規雇用にありつけず、このパラサイト予備軍だそうだから