栃木県の方からのメッセージ

「元暴走族である人が漢検一級を習得したというニュースをネットで拝見しました。
私はこのニュースで3つのことを考えました。
一つはこの人物は本当に更生したのかという点です。悪人でも博識の人は少なくありません。
二つ目は仮に更生したとしても影響力が強すぎるのではないのかという点です。
もしこの手の人物は口がうまく魅力的に見えるのでカリスマ性もあります。
そして、最後はマスコミがこの人物のメッセージを改変しないかどうかです。
俺のまねはするなというメッセージを消し、そして若いうちはやんちゃをしてもいいんだよとマスコミが言いかねないか心配です。
問題児や危険人物と相手にしている人に希望は必要です。しかし、むやみに増やす話はもはや犯罪といってもいいでしょう。」(引用終わり)

まったくその通りである

もちろん、更生できていなくても勉強するということは悪いことではない

ただ、漢検1級というのは、すごいことなのだが、いわゆる「食える」資格ではない

弁護士とか、なんらかの知的職業の資格を取れれば、心の中はまだワルのままでも、資格を失いたくないから、ワルはやめるという可能性は高い

ところが行動療法の考え方であれば、ワルを長くやめていれば、だんだんワルの心でなくなるということはありえる

漢検1級を売りに塾の先生でもやって大成功すれば、この人も変わっていくだろうが、思ったほど社会で優遇されずに、逆に学歴がないとかいうことで差別されるなら、またワルの世界に戻ってしまうかもしれない

三つ目のマスコミの改ざんも十分あり得る話だ

要するに珍しいからニュースになるのであって、東大生が漢検1級をとってもテレビでとりあげないだろう

今の不良の子に希望を与えるとしても、高校生くらいまでは少しやんちゃなくらいのほうが社会に出て成功するという間違ったメッセージを与えるとすれば、大問題だ

テレビというメディアはそうだと言わんばかりの情報操作をする

この元暴走族はテレビで顔を出して出ていたのだろうか?

だとすると、この元暴走族にかつてボコボコにされて、PTSDのようになっている人がいるとしたら、その人の症状はおそらく悪化するだろう

だから、こういう元ワルの人が更生するのには大賛成だが、テレビのような不特定多数のメディアに出て顔を出すのは自粛してほしい

高校時代にワルをやっていたら、テレビに出られないとかいうことになれば、多少のワルの抑止力になるかもしれない

元不良少女のタレント連中も同じことだ

さて、山口美江さんが孤独死をしたということで話題になっている

我々の同年代の売れっ子だった人だけに残念なことは確かだ

でも、孤独死について気の毒なイメージがつきまとうが、たとえば高齢者の場合、元気な人しか原則的に孤独死しない

要介護の一人暮らしの人は、介護保険で2日に1度くらいはヘルパーがくる

介護保険を受けていなくてもまずいと思われれば民生委員だって立ち寄る

子どもや親せきがいる場合、ものすごく冷たい家族でなければ、病弱だと、ある程度は連絡をとるだろう

結局のところ、孤独死で発見される高齢者というのは、比較的元気で、自立して、一人暮らしのできていた人であることが多い

子どもも罪悪感に苛まれるが、元気だったから長い間連絡をとらないということのほうが実は多い

今回の山口さんも前日に犬と散歩しているところが目撃されているようで、一人暮らしで心筋梗塞などになって、突然死だった可能性のほうが強いようだ

確かに、一世を風靡した有名人だから驚くべきことなのだろうが、男性の生涯未婚率が2割に達しようとしていたり、一人暮らしのお年寄りが500万人という時代に、この手の孤独死(これだって本当に孤独かどうかわからない、独居死といったほうがいいことだってあるだろう)は当たり前になる時代がくるのは目前だと思うのだが

ただ、病弱だったり要介護の独居老人が入る施設がすごく足りないのはなんとかしてほしい

元気で孤独死するより、こういう高齢者のほうが私には可哀想に思えてならない。

身動きがとれないのに、オムツに垂れ流しをして、それを翌日ヘルパーがくるまで変えてもらえないとか、喉が渇いても吸い飲みの水がからになるとやはり次の日にヘルパーがくるまでがまんという心細い一人暮らしの高齢者を放置する国が福祉国家と言えるのだろうか?