スバルの富士重工が儲かっているらしい。

最終利益も上方修正するということで、日本でもインプレッサ(私も昔のっていた好きな車だ)は納車待ちだそうだ

なぜ富士重工をとりあげたかというと、この会社は国内生産比率がとても高い会社だからだ

付加価値の高い車に経営資源を投入するというやり方、まさにドイツ流だ

メルセデスなど、こんなユーロ安なのにまったく値下げしてくれない

高くても売れる車、高くても売れる製品を作らないと、為替がどう変わるかわからない時代に生きのびていけないのに、日本のノータリン経営者たちは、国際競争力とは価格競争力とか思って、どんどん従業員を切っていったり、給料を値切る。結果的に内需までしぼんで自分で自分の首をしめている

自分の会社の繁栄より、個人資産を守ることに汲々しているから、自社製品が売れなくなっても、消費税を上げて、所得税を下げることに賛成する

これで経営者と言えるのか?

ということを教えてくれるスバルの成功ぶりだ

ただ、日本人の賃金が、たとえば公務員の給与カットそのほかでもっと削られれば、国内の高級車の納車待ちというのもなくなるかもしれない。売れるのはベンツとかポルシェとかヨーロッパ車だけになるだろう

昨日は家庭教師のトライの講演会が午前、午後のダブルヘッダー

私自身は、和田式受験勉強法というのは、志望校と本人のもとの学力に応じて、個別のものだと思っているから家庭教師や個別指導とのマッチングはいいと思っている(もちろん独学ができる人には緑鐡を勧める)

講演もうまくいっている自負がある

さて、うっかり見落としていた(もちろん聞いてはいたが)が、今回、ゆとり教育が撤回される学習指導要領で、武道が必修化されることになったそうだ

それに対して、武道についてのトレーニング不足とか安全対策不足が問題にされている

そもそも論として、なんで武道が必修化されたかというと、若者たちの体力低下、モラルの低下、少年犯罪の増加などで、改正教育基本法第二条に謳われた「健やかな身体を養うこと」「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」という精神を実現するためだという。

若者たちの体力低下についてはいくつかデータがあるようだが、モラルの低下については検証のしようがないし、昔のほうが学校は荒れていたし、暴走族なども多かったのは確かだ。日本の偉いさんは、日の丸を上げているから、集団暴行、それによる致死、集団レイプをしようと暴走族はいいとでも思っていて、それがなくなったからモラルが低下したとでも思っているのだろうか?武道を必修化したら、そういう時代に戻るとでも思っているのか?

少年犯罪の増加というのはあきらかに統計に反している

検挙件数だって、波はあるが横ばいレベル、凶悪犯罪に関しては完全に長期的に減少のトレンドにある

多いころの4分の1もいかないのだ

でまかせな前提で作られた施策が、いい方向にいくのかという疑問、なぜ教育というのはエビデンスに基づいて論じることができないのかを考えると悲しくなる

私の通っていた灘という学校では、確かに柔道は必修だった

創設に嘉納治五郎氏がかかわっていた影響が大きいようだ

私が危惧するのは、事故より、体格にも体力にも差がある中学時代に、こんなものを必修化すると、よほど教師がしっかりしない限り、できない子、弱い子が卑屈になったり、学校嫌いになったりする原因になりかねないことや、ふだんはいじめが許されないので、柔道の授業中に、堂々と弱い者いじめがされてしまうというようなことだ

灘の場合、柔道で負けても、勉強で見返せばいいという鼻っ柱の強い人間が多かったからよかった

それでも、いつも負けていた私はとてもみじめな思いをした

弱いとわかると、その後もいじめは続いた

教室の前にある大きなゴミ箱に閉じ込められ、1時間、ずっとその中にいれられたこともあった

もちろん欠席扱いにされた

何階か忘れたが窓からつるされたこともあった

勉強ばかりしている人間が柔道で心の鍛錬がされるどころか、柔道をやることによって、弱い奴と強い奴の序列がよけいにはっきりした

いじめがやんだのは、受験勉強が本格化した高校2年生くらいになってのことだ

お互い助け合ったほうが合格しやすいとわかるからだ

そうやって当時の灘はチームプレイで、東大合格者数日本一を守っていた

武道は人間の心を鍛錬し、モラルを高め、受験勉強は性格を歪めることになっているが、私には、自分の個人的経験からまったくそうは思えない