永六輔さんが骨折から復帰会見をしたそうだ

私自身、最近こそ、声がかれて、よく聞き取れないことが多いが、日本でもっともすばらしいしゃべり手だと思っているので素直に嬉しい

車いすでの会見だったようだが、写真をみても老けこんだ感が強い

永さんについては78歳と聞いてちょっとびっくりしている

小沢昭一さんが82歳、渡部昇一先生や日下公人先生のような昭和5年会の人たちが81歳だから、彼の活躍が早かったにしても、もう80は超えていると思っていた

声が出なくなったことや車いすのことで急に老けこんだにしても、まだ70代だったのかという感は強い

実は、昨日も年老いた親との付き合い方のような本の企画で打ち合わせをしていた

でも、年老いたと言っても、年齢によって大きな差があることは確かだ

いわゆるヤングオールド(75歳までということになっているが、実際には80歳くらいまでと私は思っている。ニューガートンという学者がこの言葉を使ったのは、74年の話である)の間は、親が老いと闘い、人生を楽しめることを応援してやるべきだろうし、それ以降なら、老いを受け入れるのをサポートしたり、さらに85を超えたら、介護や認知症対策が必要となる

60代なら認知症は1%もいないが、うつは5%もいるので、心の持ち方を変えたり、楽しんだり、食生活を充実させることが必要となる

85を超えたら、うつは5%のままだが(それでもこんな数がいるから85を超えても自殺は多いのだ)、認知症は3割になる

永さんのようなスーパー老人が、歳より老けて見えたのは、実は理由がある

やはり骨折(前にも肋骨の骨折をやっている)とかで移動能力が低下したり、パーキンソン病(と本人が告白したそうだ)で声が出にくくなったのも大きいだろう

高齢者の場合、普通にしていたら、そんなに老けこまないが、病気が意外に命取りになる

だから、骨折で転ぶのが怖いので、高齢者には精神安定剤などはなるべく処方しないようにしている

いっぽうで、うつ病は高齢者を一気に老けこませるので、早めにうつの薬を使うようにしている

でも、私が一番知っておいてほしいのは、栄養状態さえよければ、病気さえしなければ、今どきの70代は若いということだ

歳をとったら老けこむのが当たり前という考え方は、親のためにも、自分の将来のためにもよくない