ラジオを聞いていたら、落合恵子さんが、3.11以降、空気が変わったという話をしていた

要するに、少数の人間が世の中を支配して、一般大衆はそれに従うという空気だったのが、強いものにしたがうより、弱いもの、困っている者をお互いに助けようという空気になったし、お上の発表するものはみんな正しいとは誰も思わなくなったというような意味の話をしていた

それに対して、DJの学者が、それはFacebookのようなソーシャルネットワークが発展しているからだという話を付け加えた

果たしてそうだろうか?

確かに、震災後、みんなで助け合おうという空気はできたし、東電や政府の報道に、マスコミは一斉にかみついた

しかし、現実にはマスコミが被害を大々的に取り上げたところにばかりボランティアや物資が集中し、風評被害で、トラックが入ってこないで困る、たとえばいわきのような街は置き去りにされているし、原発の中で働く職員のメンタルヘルスのボランティアに、毎月行っていて痛感するが、やはりマスメディアをふくめて、彼らの活躍などが無視されている感はものすごく強い

相対貧困率ではアメリカについで世界2位の格差社会なのに、Facebookでそれに抗議するデモをよびかけても、日本では100人しか集まらなかったそうだ

空気を作っている、変えていくのは、日本ではけっしてソーシャルメディアなどではない

結局、大マスコミが騒ぎ、大衆はそれに追随するだけだ

ボランティアなどを見ていても、マスコミに注目されることならやるが、そうでないならやらないというずるい人も、とくに芸能人や文化人の間でぼちぼち出ているようだ

自分たちの運動をFacebookのようなメディアで伝えて、有名になった人など皆無に近い

そして、今回の一件で、政府や東電のような権威のいうことにも嘘が多いことに気づき、それをうのみにしない人が増えたという話だが、それを批判するマスコミの話をうのみにする人は多い

一応、福島第一原発の近くまで行って、現場や現地の声を聞き続けているが、私のみるところ、まだ政府や東電の発表のほうが、妄想的に不安をかきたてるマスコミの報道より信頼できる

日本の空気を変えたとか言っても、それが新たなITとかソーシャルメディアの影響なのか、大マスコミに支配されたものなのかでは条件が違う

大マスコミに支配されたもなのだったら、結局のところ、少数の人間が世の中を支配しているという構図にはまったく変わりがないのだ