たまたまラジオを聞いていたら、私の尊敬する佐藤優氏が前原さんのことをべたほめしていた話がとりあげられていた

要するに円高を利用して、企業が海外資産、とくに地下資源(鉱山や油田)を買ったり、海外企業をM&Aするのを政府が応援するという発言を前原氏がしたことを絶賛したのだ

私が前からずっと論じているように、円高が止まらないのは、円高にしても外国が困らないからだ

円高にすると、日本がすぐに外国の企業や外国の資産を買うというスタンスを見せたり、為替介入でドルを買わされた時に、米国債を買うのでなく、金を買うようにすれば、円高にするとまずいという警告を外国に与えることができる

こういうことはブログにも著書にも書いたことだが、前原氏が私のブログを読んでいるとは思えない

では、彼のオリジナル化と言えば、私の予想では官僚の入れ知恵だろう

若手官僚の中には、私のブログの読者がけっこういるらしい。もちろん、これは勝手なうぬぼれだが

問題は、日本企業のアホ経営者たちがこんな当たり前のことに気づかないで、円高になるたびにビビり、リストラをし、さらに国内の不況をひどくしたり、内需を縮小させてきたことだ

円高になったときこそ、積極経営をしていれば、株価だって上がるし、リストラだって必要なくなる

もちろんキリンやサントリーのようにそれに気付いている会社も少しはあるが、大方の製造業はそれができていない

逆に、世界経済がぼろぼろになり、最終的に元が切り上げになったときは、50%とかいう思い切ったものになるという説がある。

何のためかというと、その金で中東の油田を買いあさったり、地下資源を買いあさったり、外国企業を買いまくるためだそうだ

外国に恩をきせて元を切り上げし、それで外国資産を買いまくる

これに対して外国が批判すると、たちどころに切り下げる

中国ならやりかねないシナリオだ

さて、中国は資本主義と言っても計画経済だし、国がいろいろなことを決められるからそれができるという考え方がある

ただ、日本だって、政治家にいわれて、優遇されないと、円高を生かすことができない経営者ばかりとすれば、まさに計画経済の国ということになる

でも、私は日本の経営者は計画経済の国の経営者以下だと思っている

何度も書いているが、外国から引き抜きをうける経営者がいない国なのだから

さて、アメリカでは格差社会に反対のデモが起こっているそうだ

インターネットの時代の恩恵をリビアなどより後になって受けるところがアメリカの愚民化政策の成果なのだろうが(日本の労働者や一般大衆はもっとアホなのでテレビを盲信しているが)、これは意外にしぶとく続くと予想している

ヨーロッパの実情だって、これまでは情報鎖国のように入ってこなかったが、今はインターネットでいくらでも入手可能だ

受け皿の救貧政党、リベラル政党がないのが難点だが、今回の選挙でオバマが負けて共和党政権になるようなことがあれば、4年後は民主党のスーパーリベラルが大統領候補になる可能性だってあるし、オバマが再選されたら第三の政党が出てくる可能性もある

アメリカがふたたび累進課税を強化し、中流のぶあつい国になれば、日本にもやっと影響がくるだろう

アメリカは、日本を格差社会にして、金持ちを生み出し、それに投資をさせようともくろんだ

ところが、日本の金持ちがケチで思ったより金を引き出せなかった

だったら、ふたたび中流社会にして、日本をお客さんにしたほうが得だという発想だってでてくるだろう

世の中が少しずつまともなほうに舵を切り始めたと考えるのは私の楽観だろうか?