NHKが放射能の危険ばかりを煽って、文科省が平成23年6月23日に出した「放射能を正しく理解するために~教育現場の皆様へ」について、まったく触れていないというメッセージをいただいた

不勉強で情けない話だが、私も教育現場にいないために、これを手にしていない

ただ、これまでの経験や調査から、現在の放射能の被害はほとんど考える必要はなく、むしろ心理的影響に注意すべきという内容だそうだ

政府の発表だからと一生に付すのは簡単だが、私も、現状の放射能が完全に安全だという気はないが、危険という証明はできないという立場にいる

医者が患者に説明をするとき、たとえば手術を受ける前に説明をするとき、危険の可能性と、うまくいったときの可能性を話す。その上で、患者さんが判断を下すのがインフォームド・コンセントという

危険な情報とか、バラ色の情報を故意に隠蔽したとすれば、医者には患者に訴えられるリスクもある

わかっている限りの情報を伝えるのが原則だ

昔は、医者が賢くて、患者がバカだという考え方があるから、医者が伝える情報を勝手に選んでいた

患者にまともな選択などできないという発想である

今のジャーナリストは昔の医者並みか、それ以下である

どうせ視聴者などバカなのだから、伝える情報はこっちで選ぶという不遜な態度だ

放射能の情報に限らず、たとえば小沢問題にしても、あるいは刑事事件の問題にしても、検察側の情報ばかり流して、弁護側の情報は流さない

放射能についても、危ないという情報と危なくないという情報を流して、視聴者に判断させればいいのに、それはしない

だったら、その責任を取る気があるのか?

冤罪とわかったときでも、検察や警察はコテンパンに叩くが、自分たちがどれだけ検察情報しか伝えないひどい報道をしていたかの責任はとらない

それどころか、ほとんどの局はそれを隠蔽した(報じなければ隠蔽したというのと同じだ)

両論を伝える時間はないと言うが、だったら、その情報を流した後、それを増幅するようなど素人のコメンテーターに感想を聞くより、ほかの情報もありますと伝えた方がはるかにジャーナリズムの原則に近い

少なくとも断り書きくらいは入れるべきだろう

「我々は難しい試験を合格したテレビ局に勤めるエリートですので、放射能については安全という説もありますが、我々より学歴の低い視聴者の皆様にはご理解は困難と考え、混乱をきたさぬように、こちらのほうで危険説を選ばせていただきました」



そういう正直さや誠実さがないメディアの報道は、少なくとも素直に信じる気にならない

仮説の一つとしてありがたく考える材料にさせていただくだけだ