本日はおほめのことばのメッセージが多く、こちらも機嫌がよい

20年前の読者から感謝されるなど、実はその人の地頭がいいだけなのかもしれないと思っても嬉しい

そんな中で、私はそのニュースを見ていないのだが、血液検査でうつ病の診断ができるとかいうニュースが流れたそうだというメッセージをいただいた

現在、その手の研究は現実にあるし、予想していたよりは精度が高いようだが、どのくらい確実なものかについては私は疑問をもっている

画像診断で、統合失調症やうつ病がわかるという研究も進んでいる

ただ、私はその手の研究をする人たちが、人間的に信頼できないことが問題だと思っている

脳死移植についても、悪気はなく、人助けのつもりなのかもしれないが、最初のケースが、腎臓移植だけだったら美談だったのに、糖尿病が治るとかという触れ込みで、やったことのない膵臓移植までやって、人工透析を受けながら働けていた人が、手術後、一度も社会復帰することなく、1年ちょっとで死んだという事件があった

ピッツバーグ大学で肝移植を学んだ、その膵臓移植をやったことのない医者は、その後、日本移植学会の理事長になった

ひどい移植だという批判をほかの移植医がしなかったとすれば、私は日本の移植医を信用する気にならない。いっぽうで、多くの人の命を救った病気腎移植の万波医師はコテンパンに叩かれた。そして、その調査委員会の委員長が、例のつくば大学膵腎同時移植の執刀医の深尾立医師だった。

自分のやったことを棚にあげてよくそんなことができると思った

余談は長くなったが、画像診断で統合失調症やうつ病がわかると主張する某超有名大学の教授は、若い医者に、「患者の話なんか聞くから誤診をするんだ」と公言しているという(賢いから、マスコミにはそんなことを言わないが)

この考え方だと、血液検査や画像診断上うつ病でないということになれば、どんなに患者が症状に苦しんでいても、偽物のうつ病とか、ひどい場合は仮病扱いされてしまう

しかし、日本で最高権威の大学の精神科の教授がそういう考え方の持ち主なのだから、これが笑い話ですまされないかもしれない

もちろん、確実な診断や、薬の効くタイプのうつ病をみつけるための生物学的研究を否定する気はない

ただ、そういう研究者の多くがカウンセリング無用論者で、医局から、カウンセリングの専門家を追い出していることが問題なのだ

そういう大学教授が多いために、東北地方では心のケアができる医者が足りなくて困っている

ところで、中学生の自殺がたまたま続くと、すぐにそれをマスコミが騒ぐ。実は、この暗示効果が怖い。思春期の子どもの中には一定数死にたいと思っている子どもがいる。そのときに、自殺に踏み切らなければ、なんともなく生き続けるはずなのに、テレビのニュースなどがきっかけで、本当に自殺行動に走るのだ

統計をみるとマスコミが騒いだ年だけ自殺が増えるのは明らかなのに、精神科医とマスコミがいい加減な国は、人の命が粗末にされて残念だ