また私の書く経済政策が間違いだ、日本を衰退させるというメッセージを送った人がいる

何度もいうが、経済政策であれ、経済理論であれ、私のが正しくて、人のが間違っているという気はさらさらない

試してみるまで正しいかどうかはわからないというのが私の立場だ

ただ、その人が、私が主張を続ける限り、私の「間違い」を「叩き続ける」のは勝手だが、私のところにメッセージを送るのは不愉快だからやめてほしい

私は、この人が私を「叩き続ける」のをやめろと言わない。言論の自由は基本的な人権だからだ。ただ、法律は守ってもらう。名誉棄損に相当するなら告訴はする。これも基本的人権だ。法律を守る限りにおいて、人間は自由なのである。

ただ、人はなぜ投資するのかということを答えろというから答えてみたい

もうかると思うからということにつきるだろう

ギャンブルをする人ですら、損をするという期待値が大きくてももうかると思えば投資する

税金を安くしても、デフレが続いて、株価が下がり続けていれば投資しないし、バブル期のように金利も税金も今よりはるかに高くても、もうかると思えば投資をした

税制で投資をさせようとするなら、税率を下げるより、投資をしなければ損をするようにするというのが妥当だろう

たとえば固定資産税があるのだから金融資産税を新設し、預金だと減っていくということになれば、株式に買い替える人が増えるかもしれない(何度も言うが、かもしれないだけの話だ)

というのが、人間の心理だろう

もちろん私が正解で、批判の主が間違っていると主張する気はない

ただ、金持ちの税金をいくら下げても、投資が増えなかったというのは事実なのだから、別の政策を試す価値があるということくらいは言えるだろう。

ただ、投資という場合、長期的に考える人と、短期的に考える人がいることも事実だ

本日は、たまたま対談をしていて感じたことだが、欧米の人が狩猟民族で待つことができないのに対して、日本人は待つことができた

短期的な利益をあげ、短期的に勝つことを考えれば、コストカットという手段は手っ取り早い

ところが、長期的な利益を考えると、ブランドイメージや、従業員の愛社精神(手をぬかない気持ち)などがきわめて大事になる

アメリカで数少ないブランド品ともいえる、ハーレー・ダビッドソンはアメリカでは珍しい終身雇用企業として知られるが、待つことでブランドが生まれるのである

さて、原発のメインテナンスの会社のメンタルヘルスのボランティアにいって、意外な発見をした

彼らには逆インセンティブが働いている

原発問題が解決しない限り、彼らは職を失わないし、そこそこの利益が出る

ところが原発問題が解決してしまうとお払い箱になるリスクは小さくない

経済理論の信奉者なら、彼らがわざと仕事を遅らせていつまでも解決をしないようにすると考えるだろう。

私が見る限り、彼らの使命感はすごかった

むしろ、それがメンタルヘルス上で心配になるくらいだ

人間は経済理論の通り動くものではない

ただ、あまりに、その意気に報いないということが続けば、だんだん日本人の使命感が奪われる気がしてならない

日本の多くの企業が、社員を裏切って、故障が増えて、ブランドイメージを失ってきた。

いくらまじめな人たちでも、あまりに裏切られれば変わるというのも、心理屋の立場から心配になる。