反戦・反原発と自殺は切り分けるべきだと思いますというメッセージをいただいた。

確かにその通りだが、私が言いたいのは、「人の命を守るため」とかいう反戦・反原発の運動家たちが、同じように、貧乏と失意のどん底で死んでいき、かつその子供たちのトラウマは震災で親が死んだ子供たちより、通常大きく、また補償もでないために、子供たちは学業を断念する自殺が年間3万人以上出ていても、何か運動をしてくれたかを問いたい。

豊かな自分たちにかかわりそうなことは「人の命」(まだ死んでいるわけでないのに)反対するが、現実に年間3万人以上も「構造改革」のために人の命が奪われているのに、現状のハゲタカ資本主義はOKという考え方には私はついていけない。

貧乏人が自殺する痛みのわからないような奴のやっている反戦・反原発運動は、金持ちのお遊びかきれいごとにしか私には感じられない。

昨日のブログについて、私が某精神科医より学歴で勝っているとか、エリートだから、あんなものを書いたわけではないことを理解してほしい。

おそらく私は、彼女より、ずっと臨床を真摯にやっているし、高齢者の声を真面目に聞いている。名前も名乗っているし、私の治療を受けたいという電話が病院にかかってきた際には、本当に保険診療で1日70人も診るゆえ、とても希望に沿うだけお話を聞けないことはお詫びしている。

そして、その合間を縫って、ちゃんと英文の論文を書いたり、学会発表もしている。

それが評価されないことが、AERAに対する失望なのであって、自分のエリート意識でないとわかってほしい。もし、香山さんに治療を受けて、すごくよかった、真摯な臨床だったという人がいたら名乗り出てほしい。その時点で私は考えを変える。

上原美優さんが自殺したのを、私の勉強法で自殺した人が何人もいるというメッセージをいただいた。

真偽の証拠があればきちんと対応したい

私の本のせいで自殺したというのなら、私の本を読んでいる人と、読んでいない人で、自殺率がどちらが高いかを比べないと科学的と言えない。

この人は、たった一例そういう人を知っているだけで鬼の首をとったようなことを言うが、この人の話では、「団塊ジュニアが受験生だった1988年から1992年くらいまでは、あなたの勉強法は、だいたい支持と不支持が半々でした」とのことだ。だとすれば、受験生の年代の自殺は年間100-200人だから、私の本を読んで自殺する人が10人いたとしても、私の本を読んでいないで自殺する人のほうがずっと多いことになる。

こんな計算もできないから受験に失敗するのであって、私の本をきちんと読んで数学の解法を暗記していれば、こんな馬鹿なメッセージをよこさないだろう。

もちろん、私の本を読んでも自殺は完全に防げない。ここが悲しいところだが、その確率が減らせるのなら精神科医としてはましと思うしかない。精神科医がきちんと治療しても自殺のリスクは7割程度しか減らないらしいから、私の本を読んでいる人の自殺のリスクが10分の1だとすると、これは大したことである。

確かに構造改革やリストラにしても、自殺の直接の原因ではない。

自殺というのは複合要因が絡んで起こるというのは自殺学の常識だ。

ただ、その複合要因の中でかなり大きな要素らしく、日本の場合失業率が1%増えるごとに、3500人自殺が増えるし、構造改革後自殺は年1万人増えている。

私の勉強法で落ちた人が「騙された」と言っているようだが、受かっている人がはるかに多いのだから、私の勉強法をきちんと理解できていなかっただけだろう。それを騙されたという他罰的な考えをしている限り、自分の運命が変えられるのか疑問で仕方ないし、受験からかなり離れた団塊ジュニアらしいがいまだにそんなことを言っているようだと、この人たちはどうやって成功できるのか、可哀そうになってしまう。