昨日の上杉さんの話や、いろいろな情報をもとにふと考える点がある。
つい先日までは原発がないと夏はやっていけないと思っていたが、いろいろと本を読んでちょっと考えがかわった。
電力の需要予想について、誰も論じないし、報じない点だ。
このブログでも東京の電力不足に相当な心配をしたが、LNGがうまく手に入るので、5200万Kwくらいまでいきそうだとのことだ。
これなら大した節電はいらない
それ以上にそもそも論として、電力需要は減り続けるはずだという問題がある。
ご存知の通り、2004年から日本の人口は減り始めている。
自動車の数にしても2007年から減り始めている。
デフレの原因が生産年齢人口の減少にあると喝破したのは、『デフレの正体』の藻谷浩介氏だが、実際、高齢者はそれほど金を使わないから、人口が減るより先に、消費が落ち込むというのは納得できる(北欧は高齢者も金を使うせいか、生産年齢人口は減っているし、高齢化も進んでいるのに以外に景気がいいが)。
たまたま猛暑の年が続いたのでカムフラージュされたが、実は、人口の波を考えてもどんどん電力消費が減るはずだ。
2030年などというロングスパンで考えると、人口は1割減るが、生産人口はピークより23%減る。おそらく電力消費量は、15%の自然減になる。
その上、電球や蛍光灯がLEDに代わるようにロングスパンでⅠ-2割の節電は確実に行われるだろうから、25%から35%くらいの電力節減となる。
要するにこれからどんどん電力消費が減っていくのだ。
こういう話も、ネットはともかく、マスメディアではろくに報じられない。
要するに日本のマスメディアはスポンサーのほうばかりを向いた偏向報道なのだ。
上杉さんのようにマスから干される人は信用できるが、マスに出ている人は、たかじんのなんとかのレギュラーの本音を吐いているように見える人も含めて、信用できない。大阪からパチンコ屋を追い出せという話は、橋下さんだってしないだろう。(その点は石原さんのほうがはるかに期待できる)
ということで頭に血が上っているのだが、本日は出かける前は沈鬱な気分だった。
昨日、実は知っていたのだが、公式に発表があったので、書くのだが、田中実さんが亡くなった。
自殺という話になっている。
この方は私の映画にも重要な役で出ている。それなりに話をしたのだが、私が精神科医という認識はあまりなかったのかもしれない。
その後、つきあいがないということで言えばそれまでだが、私が信頼できると思ってもらえなかったという点は本当に落ち込む。まさに、サバイバーズ・ギルトである。
いい役者だった。
ルックスは最高に近い。その上、頭がいい。気さくな人でもあった。
私の映画にいいシーンがある。
死を目前にした受験のカリスマが、田中実さん演じる主治医と病院を歩き、疲れた主人公が長椅子に座り、田中さんもその椅子に座る。
「お前、優等生のくせにうそをついたな。(略)安らかに終えていくって言っただろう。よけい怖いよ」
ここで田中さんは無言になる。
受験のカリスマは「なんてな」と言って終わる。
悲しいシーンだ。
実は、この二人は、このシーンまでは、いつも診察室であっていた。シナリオでは、この話も診察室でやることになっていた。
しかし、あまりに絵が同じでつまらない。
結局、田中さんの(私かも豊原さんかもしれない)発案で廊下でどうかということになり、私ももちろんOKにした。
カメラも照明も協力してくれたが、あとで助監督に「思いつきでやらないでください」とけっこう厳しく叱られた。
私も若干迷っていたのだが、「撮ったもんがちですから」と言ってくれたのが田中さんだ。
結果的にいいシーンになった。
そういう話をふくめて、いろいろと思いだされるし、胸にくる
そして自分の不甲斐なさを痛感する
次からは、役者がメンタルヘルスを害したときに信頼されるような監督になろうというのは、ちょっとした思いあがりだろうか?