いろいろと激励のメッセージ、非常に嬉しい。

少なくとも、私は、貧しいものが犠牲にならないで済むように闘っていきたい。

さて、昨日問題にした話で、もう一つだけ言っておきたいことがある。

「よく、人が死んでいる現状で、そのようなことをよく書けるなと思いました」という下りだ。

確かに被災者は気の毒だし、亡くなった方はもっと気の毒だ。

しかし、それと言論封殺は違う次元の話だ。人が死んでいるから、地震問題や停電問題について言論の自由がなくなるというのなら、それこそモラルパニックである。

少なくともサイバースペースくらいは好きなことを書いていいはずだし、ここでの言論の自由が奪われるなら中国以下ということになる(中国よりマスコミが腐っているからだ。本日もラジオで上杉隆さんが下された話をそのラジオでしていたが、こういうことはきわめてまれだ。小島慶子は偉い!)

大体、神戸の震災のときは、がんばろう神戸とはいってもがんばろう日本と言われた記憶はない。東北は東京に近いので、がんばろう日本なのかという違和感は、神戸出身者として多少ある。こういうこともおそらく言論弾圧の対象となるのだろう。

確かに震災で亡くなった方は気の毒だが、日本は98年から12年間にわたって、3万人以上の自殺が続いていた。もちろん、今回の震災で亡くなった方の数より多い。

彼らのうちの3分の1から半分は、金持ちが自分の贅沢のため(日本の金持ちは贅沢をしないから経済が回らないのだが)、あるいは相続することには60歳くらいになっているバカ息子に残すために、金持ちの税金が減ったための税収不足で福祉が打ち切られ、国際競争のためという名目で自由にクビが斬れるようになったことの犠牲者だ。

この国の人間は、金持ちの犠牲者は自己責任といって、災害の犠牲者にはものすごく同情する。金持ちがスポンサーの大マスコミを素直に信じる結果だろうが、震災のほとぼりが冷めた後でも、生活苦で死んでいく人にやさしい気持ちを日本人はもてるようになるのだろうか?それともこういう人は自己責任なのか?

経団連が、今回は法人税の増税を見送っていいといったらしい。

でも、彼らの言い分では、法人税を下げないと国際競争に勝てないはずではなかったのか?このままだとどんどん日本の会社が海外に逃げていくという話ではなかったのか?

震災の後、電力の供給すら不安定で、また空前の円高基調が続いている。国際競争でもっと不利になっているはずなのに、法人税を下げなくてもつぶれないのなら、あるいは、それで外国に逃げていかないというのなら、もともと法人税を下げる必要はないだろう。

大体、法人税というのは利益課税なのだから、赤字の会社には原則としては1円もかからない。法人税を下げないと会社がつぶれるという話自身がウソなのだ。

ただ、震災で日本が苦しんでいるときに、日本を逃げ出すと何を言われるかわからないという危機感はあるのだろう。また円高、原油高で利益がろくに出そうにないから、法人税などもともと払わなくていいという腹もあるのかもしれない。

ただ、金持ちの脅しに日本人が素直に従いすぎ、結果として、毎年、この震災以上の人を、「自己責任」「自己決定」の形で殺し続けてきたのは確かだ。

気に入らない人間の言論封殺より、言いたいことを書いて人の命を守るほうが大切だと私は信じる。