いくつかの気になるメッセージにお返事。

速読術について。私は基本的に信じていないが、それによってそれを身につける人もいないわけではないのだろう。人にいいかどうか聞くより、まず試してみることだろう。ただ、高い教材まで買ってというのなら、私もあまり勧める気になれない。

巨人ファンだが、今回の巨人の暴走に腹を立てているというメッセージ。こういうファンがいないといけない。私だってカープファンだが、松田元というケチオーナーを追い出す方法がないのかと毎日悩んでいる。

私の税関事件について激励のメッセージもいただいた。阪神淡路大震災のときは、検疫のために外国からの行為のレスキュー犬に足止めを食わせていたそうだ。こういう情報は勉強になる。

経済学がつまらない。とくに教える側に力がない。商学のほうがましというメッセージ。おそらくその通りと思う。だからこそ、肩書きにだまされないリテラシーが必要だ。

たとえば、昨日のブログに対して、「円高は、今まで海外投資や融資に使われていた円が復興資金の為に国内に還流されるため円高になります。阪神大震災の時もそうでした。株式の番組でも紹介されたりしてます。」というご教示をいただいた。

どこのテレビの解説者も新聞の解説でも書かれている内容だ。私がそれを読んでいない、聞いていないと思ってのご親切な忠信だろう。

しかし、私はまったくそんなことは信じていない。日本の場合、国内資金はむしろ金余りで、銀行が貸し手に困っている状況で、10兆円やそこらの金が国内で調達できないわけがない。もちろん、新日鐵の釜石製鉄所など復興資金を自社の資金だけで不足して、外国資産を売る可能性もなくはないが、為替の相場を動かすにはあまりに微々たるものだ。神戸の震災のときは、たしかに場所柄海外資産をもっていた会社がつぶれて国内に資金還流をしただろうが、今回の被災地で海外資産を多く持つ被災企業が多いとは思えない。復興資金をすべて海外からの資金還流でまかなうとしても、円の値段を大きく買えるほどの金額にならないはずだ。そのくらい為替は巨額の金が動いている。介入が簡単に利かないのもそのためだ。

ついでにいうと、神戸の震災後3ヶ月目の4月19日に円が80円を割り込む当時の最高値をつけたが、これだって震災のための資金還流はごく一部の要素だろう。当時はバブルがはじけて、国内企業が担保不足に陥って海外資産を売りまくっていた時期だから、そちらの要因のほうが大きいはずだ。

素直に経済の専門家のいうことを信じないというのが私のスタンスだし、このようなシナリオを流して円高を作った(前にも話したが、神戸の時は超円高は被災後3カ月もたってから起こっている)投機屋は火事場泥棒と言われても仕方がない。

下記の情報もいただいた。

http://c.fc2.com/m.php?_mfc2u=http%3A%2F%2Fwww.jca.apc.org%2Fmihama%2Frosai%2Felmundo030608.htm

私には真偽の評価ができない。調べてみたらエル・ムンドはまともな新聞のようだ(ヨーロッパは夕刊紙がかなりいい加減なことを書くため一応チェックした)。それ以上のことは言えないが、事実なら、やはり許せないことだ。

ただ、もういっぽうで、今回の原発事故で、日本の核アレルギーがよけいに強まるのを心配するメッセージをいただいた。

我が国の保守陣営に属し、「核武装」を主張しているような人においても、この辺りの知識が非常に曖昧で、水蒸気爆発を起こした映像を見て、肝を潰して慌てふためく人も少なくない。こっちは、核と言えば「すごいもの」「強いもの」ぐらいにしか思っていなかったのだ。チェルノブイリ型黒鉛炉と、福島原発の軽水炉の違いも明確に認識できていない人が国民の99%以上だろう。
(以上引用)

その通りだろう。

水素爆発や水蒸気爆発にしても炉心のものとはまったく関係のないものだ。爆発と核融合は別次元の問題だ。映像が派手なのと、影響や被害が大きいのは別の話である。

本題に入るが、このメッセージの主の心配こそが、今回の震災の日本経済に与える最大のダメージになると私も考えている。

要するにタイミングが悪すぎる。

いっぽうで、地球温暖化対策のためにオール電化を進めながら火力発電の比率を落としていった。(おかげで今回の地震は寒い地方で起こっているのに火災被害がかなり少なかった)

それなのに、今回の事件で下手をすると関東、東北地域の原発のほとんどが点検とか、耐震強化工事、あるいは住民の反対などで止まる可能性がある。

もし、そんなことになれば、この夏は、ずっと現在のような計画停電が首都圏で続くことになる。

もし猛暑ということになれば、首都機能は完全にマヒする。

そのおかげで、首都機能の一部を西日本に移転するとかいうのならいいが、そううまくいくまい。

まともにいけば、復興特需で久しぶりに景気が回復するはずなのだが、被災者もいるのに、先のことをあれこれ考えるのはやはり不謹慎だろうか?

一つだけ言えることは、経済がよくならないと被災者を助ける力も半減するということなのだが。

あとオマケの情報だが、明日の東京FMのTIME LINEという番組に特別出演の予定である。