アンチエイジングのクリニックを始めて、フランス人の先生が、検査の結果に応じて、フランスの本院と同じ処方をしてもらっている。

そして、その処方を香港のクリニックから輸入しているのだが、ときどき税関にひっかかる。

そこまでは仕方がない。

医薬品の個人輸入の場合、厚生労働省関東甲信越厚生局薬事監視専門官あてに、薬の内容の日本語の解説や、化学式までを書かされる。さらに医師免許証のコピーまでを添付して、薬監証明というのをとらないと税関から薬の引き渡しを受けることができない。

で、私も税関でひっかかるたびに約半日かけて書類を作成する。この面倒くささを体験すると、本当に、アンチエイジングのクリニックなど、大して利益も出ないのだからやめたくなる。ただ、通常は書類をそろえれば、証明書が出るので、それで引き取りにいける

ただ、ときに役人の性なのか嫌がらせをする厚生労働省関東甲信越厚生局薬事監視専門官がいる。

今回はそういう人間にあたったようで、しょうがないから税関に荷物のチェックを受けて証明書を作ってもらって、それを再送した。

しかし、このキチガイ(こういういい方をしたくなる嫌な人間だ)は、まだ証明書を出そうとしない。
(名前を控えておけばよかった。私は後で書く理由でこの人間を許せない)

日本の場合は、海外で認可されているのに、厚生労働省の既得権益を守るために、なかなか日本で認可しない薬は多い。

そのせいで多くのがん難民が、海外から医師を通じて個人輸入をしてもらっている。私にしても、明らかにフランス製のほうが優れているから輸入をしている。

しかし、勝手に認可しないだけでなく、それを輸入する際にも、役人の勝手な判断で、書類がきちんと揃っていてもなかなか輸入させてもらえない。

私の場合は、アンチエイジングの薬なので、患者さんに1週間くらい薬のない時期を我慢してもらうだけだ(それだって、その患者さんにすれば大事なQOLを役人のせいで落とすことになる。この手の薬は毎日飲むことに意味があるのだ)。

しかし、がんの薬などで、こうして1週間以上も税関に止めておいて、その患者さんが死んだらどうするつもりなのか?

現在、規制仕分けが行われているそうだが、マスコミも現在の民主党の体たらくに嫌気がさしてろくに取材をしていないらしい。

しかし、加藤秀樹氏もいみじくも言っておられたように、事業仕分けより規制仕分けのほうが、はるかに役人の既得権益を抑えるし、庶民にもありがたいことが多い。

こういうクズ役人(私は公務員の給料を減らすのに反対する立場にいるが、こういうクズの首を斬れるシステムはほしい)がいるおかげで命が削られる患者さんがいることだけは確かになった。

なんの権限があるのか知らないが、外国で正式に認可され、きちんと書類を揃えた薬を渡そうとしない役人の思いあがりを私は許すことはできない。