本日からエンジン01のオープンカレッジで長岡に来ている。

街中に歓迎ムードだし、本屋も市の規模と比べて立派なもので、私の本もけっこうおいてあって、東京で買いに行く時間がなかったので助かった。

で、ちょっと浮かれた気分になったのだが、それを吹き飛ばすようなニュースが一つ。

予想通りらしいが、最高裁の須藤正彦とかいう裁判長が海外に一時的に住所を移した人間に贈与するという汚いやり方の贈与税の脱税行為が、当時は法的に許されていたということで、合法と認めて、国に1300億円もの金を返せという判決を出した。

もちろん、住所を移しても、事実上の住所が日本だったのかどうかということで課税は可能で、当時、武富士の専務という仕事をしていたのに、事実上の住所は香港というその息子側の主張を全面的に最高裁は受け入れた。

小法廷だから3-5人くらいの裁判官なのだろうが、たった3-5人の判断で利息(利息までつけて、この脱税男に金を返さないといけないらしい)を合わせて2000億円の金を返すことになる。700億円は利息として、この低金利の時代に丸儲けまでさせる。

これは、10-20万人の人間の1年分の生活保護費だ。要するにこの頭のおかしい裁判官のおかげで、このレベルの人間が飢え死にしたり、医療を受けられなかったり、子供が教育を受け入れられなくなる。関係のない話のように言うが、財政が苦しいと、生保を受け入れないし、財政が楽だといい加減な申請でも生保を受け入れる。この損を埋め合わせるために、失業者は生保をなるべく受け入れないような、空気が役所に流れるはずだ。

さまざまな違憲判決や選挙無効の判決を出せない司法の独立もへったくれもない、行政べったりの最高裁なのに、国に大損をさせるような判決は平気で出す。

この判決の裏の意味は大きい。

人間が作る方だから、必ず抜け道はある。しかし、抜け道、法律すれすれという場合、解釈のしようによっては処罰や徴税はできる。最高裁の考え方としては、法の抜け道を探した人については、教科書通りに、情状や国の財政事情を考えない判決をしますから、上手に法の抜け穴を探して脱税をしてくださいという脱税の勧めのような判決である。

ただ、最高裁の判事に関しては、ある程度市民感覚に基づいた常識がない人を落とすことができる制度もある。それが国民審査である。

もし次の国民審査で、この裁判官たちが不信任にならなければ、市民も法に触れない金持ちの脱税は大目に見ていいということを許したことになる。

私には許せない。

第二小法廷の須藤正彦(この人はやはり贈与税を脱税した鳩山由紀夫元首相が指名した裁判長だ)。あと、この裁判にかかわった第二小法廷の裁判官を洗い出して、国民審査ではっきりと許せないことを示すべきだろうが、おそらくそういうことに協力してくれる市民は少ないのだろう。

これでは格差がついて当たり前である。

ついでにいうと、この武富士の事件で金を贈与した側が武富士の創業者、受けた側が息子。そして、彼らが法を犯した利息をつけたせいで過払い裁判があちこちで起こって武富士は倒産して、多くの金を払いすぎた人間が泣き寝入りしている。そして、その不法な利息で作った1300億円に、国が700億円も利息をつけてこの息子に渡すというのが、この裁判の構図である。

これを大変正しい裁判だと思える人がどのくらいいるのか、そこまで日本人がおかしくなったのか、それとも私のひがみなのか、知りたい気分でいっぱいである。