さて、すでにアメリカに着き、すんなり予約が取れたので、いつものMatsuhisaで晩御飯を食べる。

最近思うのだが、アメリカの近海物のシーフードがかなりおいしい。

サンタバーバラでは、甘エビやウニ、アワビが取れるのだが、フレッシュなことがあって実においしい。ウニに関しては函館などのものよりよほどおいしい。

で、私はいつもMatsuhisaではお得意様専用の寿司バーOmakase Barに行くのだが、おかげで意外に有名人を見る機会を失っている。

で、本日は隣りはさえない二人組。

一人はTシャツに皮ジャンで、ウッディ・アレン風のメガネをかけた顔には似合わないリリー・フランキー風の中年男。女のほうは背は高いし、いかにもアメリカ人という感じだが、特別に美人というレベルまでいっていない。

会話の盗み聞きをするわけでもなく、食べているものもそんなに高級なものではない。

ただ、どういうわけかチェックの時間が重なって、彼らが先にチェックして、私が次のチェックになった。

で、駐車場で車を待っているのだが、なんとSLRに乗っていた。

自分の借りたC300(本当はボルボのS80を申し込んだのだが、なぜか化けていた)があまりにな開けない。

漫画家の江口達也も乗っているそうだが、漫画家と一般の文筆家の稼ぎの違いを象徴するような話である。

実は、私は格差社会の批判者であるが、意外に見栄っ張りで、金を使うとすると見栄を張るために使うようなところがある。

一時期はゼニアの服ばかり買っていたが、完全に見栄で、まったく似あいなどしない。

ただ、昔の日本人は全般的に見栄っ張りだった。だから、新車が出ると旧型で乗っているのがかっこ悪いと思って、簡単に買い換えた。服だって、安物と高級品ではどこが違うかわからなくても、高いほうの服を買った。

ゼニアをユニクロでどこが違うと言って、説明に窮するだろう。でも、見栄っ張りとしてはゼニアなのだ。みんなが合理的な判断をすればブランドなどは成り立たない(この説明がつかないのも旧来型の経済学の限界である)

飯もおいしくないし、寝心地もそんなに変わらなくても、可能な限りアップグレードしてファーストクラスに乗るのも同様の見栄である。

でも、私は見栄を張り続けたい。妻が許してくれれば、国のために見栄を張りたいので、ゼニアの代わりが和服になるのだが。