本日も親切なメッセージもたくさんいただくし、がんばっている親御さんの話もいくつかいただいて非常に感激している。心から応援したい。

相続税100%論については、ゆっくり話をしたいが、例外を作れば悪用する人が出る気もするが例外を作るのは悪いことではないとは思う。

たとえば農業をやっている人などは、少なくとも農地については0%に減免していい。その代わり、農業を継がないほかの兄弟は100%のままにする。すると、おそらくはほかの兄弟は相続放棄をするから、東京に住んでいる兄弟に農地を継ぐことでぺんぺん草が生えるはずの土地を、農業を継いだ子供がそのまま継げることになる。あるいは、親の介護をやった子供には税率を大幅に低くするとかいうのもいいだろうし、歌舞伎のような伝統芸能なども相続税を減免してもいいだろう。私が言いたいのは、生物学的に子供というだけで相続できてしまうという問題だ。親の介護もしなかったり、家業を継ぎもしないで相続だけはできてしまうという制度が許せない。

医学部の入試面接について。前も書いたが、むしろうそつきを医者にするとか、教授に逆らわないイエスマンを医者にするための制度としか思えない。大体、日本の医学部の教授というのは、精神科で精神療法がいらないと思っている人間の集まりである。全国に80も医学部があるのに、一つとして精神療法が専門の主任教授がいる大学がない。だから精神科の講義でも心のケアのことがまったく習えない大学がいっぱいある。卒業までの6年間で、心の問題を一度も習わずに卒業するようなカリキュラムをくむ人間の面接で選ばれるというのは、猫をかぶる人間だけだろうし、私も十分落とされた口だろう。実際、心のケアのできない精神科医を教授に選んでいるのは教授会なのだから。

さて、精神科ということで、

軽々しく「人間のクズ」なんて言葉を使うような人間が精神科医とは驚きです。
私が患者なら、あなたのような医者には絶対に診てもらいたくありません。

というメッセージをいただいた。

この人こそ、差別の権化だ。心の病と人間のクズは違う。病気とクズは違うから、われわれは人間のクズということばを使う。

自殺なんかしたらクズだといってもいい相手と思えばいうだろう。アルコール依存症の患者さんに、ここで酒をやめないと人間のクズになるぞということだって言うだろう。

統合失調症で人を殺せという幻聴が聞こえる人でも、全員が人を殺すわけではない。同じように幻聴に苦しみながら殺さない人のほうが99%以上だ。殺したら人間のクズになると思って必死になって食いとどまっているのだ。そうしないとお前は殺されるという幻聴に苦しみながら。

精神科医が、言葉狩りのようにきれいなことばを使って治療していると思うなら、ロボットにでも治療を受ければいい。私は生物学的精神医学の人間と違って、人間の情が通っていない人間のほうがよほど臨床ができないと思っている。

クズなことをする人間に対して、人間のクズというかどうかはともかくとして、思いさえしないような不気味な人間のほうに、私はかかりたくないが、この人は心の病になったときに、放送禁止用語だらけのテレビのコメンテーターのような医者に話を聞いてありがたがっていたらいいかもしれない。もちろん、医者を尊敬できるだけで治ることもあるから、それでもよいかもしれないが。

人のことを精神科医失格というが、私がやめたら何人かは確実に病気が悪くなったり、最悪自殺するので、この生意気な人間のことばが、どんなに不愉快でもやめない。(ブログのほうはやめるかもしれないが)

現実に時給換算すれば、このタダブログと大学の講義の次に、安いのが精神科医としての診療時間なのだが、それでもやめる気がないのはそのためだ。