私が以前のブログで、慶應義塾ニューヨーク学院の悪口を書いたから訴訟を考えているというメールをいただいた。

私自身は、慶應よりずっと偏差値の低い学校で中学から高校に内部進学できなかった子供が、そのこの学校に入るということが何件か起こっているということを書いただけで悪口を書いた覚えはない(これを悪口と受け取るのは勝手だが)

どこの学校だって優秀な人間もいるだろうし、学力の低い人間もいるだろう。灘校のような学校だって、卒業時点でひどい学力になる子供もいる。東大の医学部だって国家試験に受かれない人間がいる。

またどの学校にもアドミッション・ポリシーというものがあるから日本での学力が低くても、そういう学校に入るということは別に問題はない。

ただ、一つ言えることは、この学校は授業料が高く、今の不況の中で、上の5%か、下手をすると上の1%くらいに入っていないとこの学校に入れないということと、卒業生は、原則として学校長の推薦により全員が慶應義塾大学に入れるということである。

金持ちの間だけでの競争のほうが、貧しい人も金持ちも含めた競争よりは楽だということは、常識的な判断だろう。もし東大の受験資格が親の年収が2000万円以上ということになったら、今よりは低い学力の人間が入ってくることは十分予想できることである。

問題は、こういうことを書かれたら訴訟を考えるという発想である。

一つには、そのくらい低学力だったり、よその学校に落ちた人間が入ってくるということが知られたくないということだろう。

東大であれば、私が知っている人で、数年前に明治に落ちて東大に受かったという例があった。でも、そういう話は受験生を鼓舞するために使われることはあっても、こんなことがばれると東大の権威が落ちるからと言って、書いた奴を告訴するという話にはならないだろう。

これも人に聞いた話だが、ニューヨーク慶應を出ている優秀な子もいるようで、東大だか慶應だかの法科大学院に優秀な成績で入ったそうだ。そういう人は、どうどうと、ニューヨークにはいろいろな子がいるということで低学力の子がいることは否定しない。

もう一つは、訴訟をするというのは金持ちのボンボンの発想だということだ。貧乏人はしたくてもできない世の中だ。逆に私が貧乏なブロガーなら、告訴されると応訴しないといけないから、それに金がかかるのが嫌だから、二度と書きませんと泣きを入れるかもしれない。

金持ちはこうやって貧乏な人を脅して、自分に都合の悪い情報が外に流れるのを止めようとする。

実際は、マスメディアも同じようなことをやる。

私はもちろんそういう考え方に闘っていきたいし、私が実名を出している以上、訴訟にするのならその人も実名がでることは覚悟してほしい。

さて、民主党の偉いさんの失言が続いている。

自民党時代にこんなに失言がなかったというのは、官僚と仲が良かったり、官僚の作文を読んでいたからだろう。なかなか人間、本音を隠し続けるとか、うかつな発言を防ぐというのは難しい。私などは失言人生と言っていいくらいである。

だから、政権政党になった以上、官僚答弁がいやならアメリカのようにきちんとしたスピーチライターを雇うべきなのである。

民主党がいちばんダメな点は、そのあたりの危機意識が乏しく、おごり高ぶっていることだろう。

政権をとるまでは、民主党議員にアドバイスする人や、勉強会を一緒にやる人は多かったが、政権をとったとたんに、そういう人の知恵を借りるどころか切っているという。

アドバイスの電話をかけようとしたら着信拒否にあったという話さえ聞いた。

官僚と闘うなら、官僚に負けないブレーンを用意しないといけないのに、自分たちの能力に酔いしれてブレーンを斬っているようでは、この政党に明日はない。

失言以上に人さまの知恵を借りられないところに民主党の閉塞感がある。

実は、本日、これから官僚相手の勉強会に行く。官僚のほうがずっと勉強しているのに、どうやって彼らに勝つつもりなのだろうか?