本日はたくさんメッセージをいただいた。

哲学を学ぶ学生さんからは、ゲーデルという数学者が絶対的な真理がないことを「不完全性定理」で証明した話を教えていただいた。

知的な読者がいるとこっちまで嬉しくなる。

そのほかにも、いろいろな方向から「哲学」した知的なメッセージが多かった。

さて、前から気になっていた高大接続テストについて有識者委員会が最終報告を出したという報道があった。

これについて、ネットで見る限り、日経でしか報じていないし、報告書がまだ文科省のホームページにもアップされていないので、最終報告がどんなものかはよくわからないが、報道で見る限り、教科書にそった基本問題で構成することや、高校在学中に複数回受けられることという話は出ているようだ。

大学入試に利用する想定だが、センター試験の存廃も含め議論することになっているようで、なんのためにやるのかという位置づけすらはっきりしない報告書になっているようだ(これが最終報告なのが悲しい)

もともと、センター試験とは別に高大接続テストをしようという話になったのは、私立大学の6割が定員割れになったり、推薦入試、AO入試、付属校などからの進学の割合が半数程度になり、まともに試験を受けて大学に入る生徒の割合が減りすぎてしまったからだ。

結果的に分数のできない大学生が、早慶レベルの学校にも2割もいることが明らかにされたり、無試験同様の私立学校では、字が読めないとか、一桁の計算で小学生に勝てないとか、笑えないレベルの大学生が多数出現したことが問題になった。

だから、大学入試にも資格試験を課そうという話だったのだ、センター試験の代わりに、それより易しい複数回受験のテストをやるという話になってしまえば、さらに学力低下に歯止めがかからなくなる。

競争も強制もしないということで、日本の左翼の教育者たちが理想化するフィンランドだって、大学入学資格試験に合格しないと大学を受けることができない。

それに受からなかった人は大学ではなく、専門大学(AMK)に入学するのである。

私自身も18歳時点で、高卒レベルの人が行く専門学校を大学に格上げするのは賛成だが、その代わり、大学入学資格試験に合格していないのなら、専門大学と称するべきだと考えている。

早稲田や慶應の野球部の連中で、この試験に合格できる人がどのくらいいるのかも知りたい。

一度でいいから、ちゃんと入学試験を通じて入ってきた人の野球やラグビーの大会を開いてほしい。

そうすれば早稲田大学の野球部が強いのでなく、早稲田野球専門大学の野球部が強いこともよくわかるだろう。

学生スポーツとは何なのかも考え直したほうがいい。

それ以上に問題は、スポーツもやっていないのに、計算ができなかったり、読み書きもまともにできない大学生の存在だ。

日本人は本気で自分たちの国の学力を立てなおそうという気があるのだろうか?

絶対的真理を信じ、人のことを論破したと喜んでいる人を、うっかり「バカ」呼ばわりしてしまったが、まともに字の読み書きができるだけ、日本の中では十分知的レベルのが高いのだということを再認識する羽目になってしまった。