さて、3日の日は横浜の市民総合医療センターの招きで老化予防の講演をした。

その中で、きちんと脳に刺激をしたほうがいいが、高齢になれば若い人より強いレベルの刺激でないといけないという話もした。

ここで、ふと1,2週間ほど前にみたキングオブコントの番組を思い出した。

とにかく、どのコントもまったく笑えない。

しかし、審査員席に座っているのは若手芸人のようで、次々と異様に高い点をつける。

芸人というのは、もともとお笑いが好きだし、笑いに対する感性が鋭いので、ちょっとしたことで笑えるようだ。しかも、若いうちは、箸が転んでもおかしい年代だ。

若い女性のことを「箸が転んでもおかしい年代」という喩えを使うようだが、これは思春期の多幸感と脳の若さから考えると、脳科学の見地や心理学の見地から見ても慧眼である。

その後、人間は少しずつ苦労を重ねるし、脳もちょっとずつ老化して感性が鈍ってくる。

それが中高年になってくると前頭葉がぼちぼちCTなどで見てもわかるくらいのレベルで縮んでくるから、箸が転ぶどころか、プロの芸でもレベルが低いと笑えなくなる。

ということで、私の脳の老化が強いのかもしれないが、今のレベルの芸では笑えない。しかし、なんばのグランド花月に行くと、笑いが止まらなくなるくらい笑える。

昔は寄席中継が当たり前にあった。それが「ヤングOH!OH!]の頃から徐々に、お笑いバラエティに取って代わられている。でも、その頃の人口構成を考えるとそれには妥当性はなくはない。

高齢者が少なく、若い世代の多い人口構成だったら、それも妥当なものだった。

しかし、国民全体の平均年齢が44歳を超える現代の日本では、あのレベルの芸では下半分の年代の人間しか笑えないだろう。

知的な番組、報道番組では人口の5%程度の中学卒業程度の人にでもわかるように話せというのに、人口の半分が笑えないレベルの芸を提供して、笑えない人間はセンスがないと切り捨てる神経はどうなのだろう。

今こそ、寄席中継を復活させたらどうか?あるいはNGKの中継を。

どうもテレビ局の連中は、古いものはみんなダメだと決めてかかる嫌いがある。

しかし、視聴率を取れば勝ちなのだったら、もう少し人口構成を考えた編成をすべきだし、ちゃんと中高年も見ているという証拠が出せれば、自動車会社などまともな会社も広告をうつだろう。

実際、ファミリーレストランの業界を見ればわかるように、中高年向けのメニューを充実したほうが上
手くいくことも多い。

若者向けのメニューでは、われわれの年代は重くて食べる気がしないのだ。

もちろん、ファミレスの経営者でさえ、まだまだ日本に昔からあったメニューの復活という発想のところが意外に少ない。

おでんで大もうけをしたセブンイレブンを見習ってほしい。

実は、近所にセブンイレブンとローソンがあるのだが、あまりにセブンイレブンの商品のほうがおいしいし、いろいろ選べる。とくに私の年代の人間にとってはそうだ。

それにしても、TBSというのは本当にクズの局だ。

野球のチームを買っては潰し、ラジオ局はもっているが、テレビ局に常に遠慮している。

中高年にちゃんと支持されているのはラジオのほうだし、聴取率もダントツのトップなのだから、テレビのバカたちも発想を変えられればいいのだろうが、おそらくは無理だろう。

前にTBSに映画の企画をもっていこうとしたら、あそこは、自分たちの身内しか監督にさせてくれないから絶対にダメと薦めてくれた人がいる。

たぶん、そうなのだろう。

でも、やはり中高年の味方のTBSのラジオに本当は出たいのだけどなーー