私の批判メールやメッセージについてのスタンスへの問い合わせがあった。
何度も書いているが、私は感情的な人間なので、原則的に、そういうものは無視したり黙殺したりしている。そのほうがメンタルヘルスによいし、感情的になったときの反論などろくなものでないことを知っているからだ。
ただ、知らないアドレスや宛名から来ると、もちろん、読んでしまう。
そういうときにこのブログで、おそらくは感情的な反論をするのだろう。
でも批判の内容を知らないと、自分の考えで凝り固まるのではないかという考え方もあるし、批判メールやメッセージから思考のヒントが得られることは現実にある。
そこで、大事になるのは、そのメッセージの主の、ものの言い方、口のきき方だ。それがよい人に関しては、少し余裕ができたときにちゃんと読むし、それができていない人は、どんなにいい内容でも、私の脳には悪い反応しか起こさないので、それ以降も黙殺を続ける。
この程度でちょうどいいというのが私の印象だ。
昨日のバカ経営者論のつけたしを一つだけ書いておく。（そういえばカンブリア宮殿で紹介された素敵な経営者の話を送ってくれた人には感謝する。私も全員がアホだと言っているわけではない。しかし、そういう人でも子供に世襲をさせようとして、急にアホになることがある。イトーヨーカドーの実質創業者の伊藤氏は、子供に跡をつがせようとしないことで、鈴木敏文氏に辣腕をふるわせ、さらに立て続けに寄付を続けている。）
昔の経営者が賢かったのは、従業員の給料を下げたり、首を斬るのは、最終的に自分のお客さんを減らすことになるので、ほかの経費を削っても、人件費だけは守ろうとしたことだ。人件費を削るというのは、寄生虫が宿主を殺して、自分も死ぬのと似たようなものである。そして、もちろん、日本全体のマーケットを小さくすることで他の経営者にも迷惑をかける。それがわかっていたのだろう。
今は、日本で売れなくても外国で売れればいいという愚かな幻想がある。世界で一番要求水準が高い日本人を満足させるものができれば、外国で売れて当たり前なのだが、その基本を忘れる。また、メイドインジャパンを売りにしたいのなら、日本市場を大事にするのは当たり前だ。実際、内需のほうが外需より何倍も大きいのは今もって変わらない。
日本市場がなくても外国市場でいいと思っていると、たとえばアメリカでは言いがかりのような裁判でいつ大損をするかわからないし、中国やアジア相手なら、いつ今回のような事件で不買が始まるかわからない。安売り競争で外国でも作れるものを作っている限り、常に客にびびっていないといけない。さらにいうと、為替レートすら日本は握ることができていない。
経営者の集まりで、こういうことを言う人が一人もいないのだろうか？
そこに絶望を感じる。
さて、本題に入ろう。
実は、私の本業は老年精神医学だが、本日は、その本業の外来診察日だ。たまたま高齢者人口がもうすぐ3000万人になる話や、80歳以上が800万人をこえた話がニュースになっていた。実は後者のほうがはるかに問題は大きい。認知症や要介護高齢者が増えるのは、基本的に80歳以上、85歳以上の話だ。私は高齢者専門を名乗っているが、85歳以上の高齢者の認知症や心の問題をたくさん外来で診ている点には人後に落ちない自信がある。
そこで、15年以上にわたって認知症の家族会を毎月一回開いている。
今回のお題が、最近、近所でできた特別養護老人ホームの話をケースワーカーが報告する。
そこで地域密着型介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）が次々できる話が出た。
小規模で、なるべくこれまで住んでいた地域に近くて、入居者のプライバシーが守れるように個室でというものだ。
話を聞いていると理想的のようだが、特別養護老人ホーム不足も深刻だし、そこで働く介護スタッフ不足も深刻なのに、どこからこんな発想がでてきたのかわからない。
原則、個室で、ユニットケアでという話だが、人出もより多くかかるし、個室に引きこもらせてしまう危険も大きい。もちろん、コストは高く、結果的に従業員の給料は安いのに、入居者や家族の支払いはきわめて高いものになる。
川崎の場合だと、平均的な施設で、個室代、食費、介護保険の1割負担を合わせると16万円以上とのことだ。世帯収入が少なければ、それよりまけてもらえるが、その分の行政の負担が十分でないので、ホームの側もなるべく負けないですむ人を入居させるということが現実に起きているらしい。
介護が大変だったり、認知症がひどくて、在宅介護が困難なレベルで、どうしてそんなに個室がいいのか？同じスタッフの数なら、個室でないほうがはるかにしょっちゅう介護にあたれるし、認知症もひどくなってくると、一人より大勢を喜ぶ人が多い。また個室で一人にしておくと、食べられないものを食べるとか、部屋の中で転んで骨折などのリスクも大きくなる。
そんなに個室がいいなら、有料老人ホームに入ればいい。第一、月に16万円もかかるなら、費用的に大差がないし、こちらは建設などの補助金がでるから、民業圧迫そのものである。
どうせ高齢者のことをろくに知らない、役人と御用学者の作ったプランだろうが、民主党には、それを跳ね返す力などない。
政治主導というなら、政治家の公募をするより、まともなブレーンを真剣に探すべきだ。
何度も書いているが、私は感情的な人間なので、原則的に、そういうものは無視したり黙殺したりしている。そのほうがメンタルヘルスによいし、感情的になったときの反論などろくなものでないことを知っているからだ。
ただ、知らないアドレスや宛名から来ると、もちろん、読んでしまう。
そういうときにこのブログで、おそらくは感情的な反論をするのだろう。
でも批判の内容を知らないと、自分の考えで凝り固まるのではないかという考え方もあるし、批判メールやメッセージから思考のヒントが得られることは現実にある。
そこで、大事になるのは、そのメッセージの主の、ものの言い方、口のきき方だ。それがよい人に関しては、少し余裕ができたときにちゃんと読むし、それができていない人は、どんなにいい内容でも、私の脳には悪い反応しか起こさないので、それ以降も黙殺を続ける。
この程度でちょうどいいというのが私の印象だ。
昨日のバカ経営者論のつけたしを一つだけ書いておく。（そういえばカンブリア宮殿で紹介された素敵な経営者の話を送ってくれた人には感謝する。私も全員がアホだと言っているわけではない。しかし、そういう人でも子供に世襲をさせようとして、急にアホになることがある。イトーヨーカドーの実質創業者の伊藤氏は、子供に跡をつがせようとしないことで、鈴木敏文氏に辣腕をふるわせ、さらに立て続けに寄付を続けている。）
昔の経営者が賢かったのは、従業員の給料を下げたり、首を斬るのは、最終的に自分のお客さんを減らすことになるので、ほかの経費を削っても、人件費だけは守ろうとしたことだ。人件費を削るというのは、寄生虫が宿主を殺して、自分も死ぬのと似たようなものである。そして、もちろん、日本全体のマーケットを小さくすることで他の経営者にも迷惑をかける。それがわかっていたのだろう。
今は、日本で売れなくても外国で売れればいいという愚かな幻想がある。世界で一番要求水準が高い日本人を満足させるものができれば、外国で売れて当たり前なのだが、その基本を忘れる。また、メイドインジャパンを売りにしたいのなら、日本市場を大事にするのは当たり前だ。実際、内需のほうが外需より何倍も大きいのは今もって変わらない。
日本市場がなくても外国市場でいいと思っていると、たとえばアメリカでは言いがかりのような裁判でいつ大損をするかわからないし、中国やアジア相手なら、いつ今回のような事件で不買が始まるかわからない。安売り競争で外国でも作れるものを作っている限り、常に客にびびっていないといけない。さらにいうと、為替レートすら日本は握ることができていない。
経営者の集まりで、こういうことを言う人が一人もいないのだろうか？
そこに絶望を感じる。
さて、本題に入ろう。
実は、私の本業は老年精神医学だが、本日は、その本業の外来診察日だ。たまたま高齢者人口がもうすぐ3000万人になる話や、80歳以上が800万人をこえた話がニュースになっていた。実は後者のほうがはるかに問題は大きい。認知症や要介護高齢者が増えるのは、基本的に80歳以上、85歳以上の話だ。私は高齢者専門を名乗っているが、85歳以上の高齢者の認知症や心の問題をたくさん外来で診ている点には人後に落ちない自信がある。
そこで、15年以上にわたって認知症の家族会を毎月一回開いている。
今回のお題が、最近、近所でできた特別養護老人ホームの話をケースワーカーが報告する。
そこで地域密着型介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）が次々できる話が出た。
小規模で、なるべくこれまで住んでいた地域に近くて、入居者のプライバシーが守れるように個室でというものだ。
話を聞いていると理想的のようだが、特別養護老人ホーム不足も深刻だし、そこで働く介護スタッフ不足も深刻なのに、どこからこんな発想がでてきたのかわからない。
原則、個室で、ユニットケアでという話だが、人出もより多くかかるし、個室に引きこもらせてしまう危険も大きい。もちろん、コストは高く、結果的に従業員の給料は安いのに、入居者や家族の支払いはきわめて高いものになる。
川崎の場合だと、平均的な施設で、個室代、食費、介護保険の1割負担を合わせると16万円以上とのことだ。世帯収入が少なければ、それよりまけてもらえるが、その分の行政の負担が十分でないので、ホームの側もなるべく負けないですむ人を入居させるということが現実に起きているらしい。
介護が大変だったり、認知症がひどくて、在宅介護が困難なレベルで、どうしてそんなに個室がいいのか？同じスタッフの数なら、個室でないほうがはるかにしょっちゅう介護にあたれるし、認知症もひどくなってくると、一人より大勢を喜ぶ人が多い。また個室で一人にしておくと、食べられないものを食べるとか、部屋の中で転んで骨折などのリスクも大きくなる。
そんなに個室がいいなら、有料老人ホームに入ればいい。第一、月に16万円もかかるなら、費用的に大差がないし、こちらは建設などの補助金がでるから、民業圧迫そのものである。
どうせ高齢者のことをろくに知らない、役人と御用学者の作ったプランだろうが、民主党には、それを跳ね返す力などない。
政治主導というなら、政治家の公募をするより、まともなブレーンを真剣に探すべきだ。