経団連が、法人税を下げて、消費税を上げろという要求をしているらしい。

彼らは、内需はどうでもいいと考えているのだろうか?

外国にものを売る場合は、消費税は関係ないが、国内でものを売る場合は、消費税がのっかる。しかし、それが今の不景気で価格に転嫁できなければ、利益は相当削ることになるはずだ。法人税をあと5%下げてもおいつくわけではないだろう。

どの会社もグローバル化などとほざいているが、内需をバカにして大丈夫なのか?アメリカのように、突然、欠陥車だと因縁をつけてきて、売り上げが平気で3割も4割も減る国でそんなに商売がしたいのか?突然、特許侵害と訴えられて、2年分の利益がふっとんだ会社とか、セクハラで訴えられて、一人の従業員に何十億も払うとか、仮に税金が安くても、現地法人が本当に安全なのか考えてみるといい。

アメリカだって法人税が安い国でないし、訴訟リスクを常に抱える国なのに、日本からの輸出の体をとらないで、わざわざ現地法人をなぜ作るのかというと、貿易赤字が出ると常にやり玉にあげられるからだろう。アメリカには圧力がかけられると、日本並の法人税を払い、素直に訴訟の賠償金を払うくせに日本の法人税を払うのは嫌だ、外国に逃げていくぞというような会社の製品は、日本国内でむしろ不買運動をおこしたり、ブランドイメージを地に落としてやって当然だ。

何度もいうが法人税は利益に対する課税である。たしかに利益をたくさん出す会社にとっては、それを安くしてもらったほうが、会社が使える金が増え、設備投資が可能になるし、M&Aで会社も強くなり得る。

しかし、ここに二つのうそがある。日本の場合、利益を大量に出しても、設備投資の規模が小さく、またM&Aなどの積極経営をする会社が少ない。そして、内部留保だけが膨らむ会社が増えているという。これでは経済は回らないし、金があっても強い企業とはいえない。

もう一つは株主の存在だ。昔と違って持合いが解消され、外国人株主が増えてくれば、その分株主にふんだくられる金が増える。たとえば1000億円利益をだした会社の法人税などの実効税率が40%から30%に下がれば、残る金は600億円から700億円に増えるが、株主が配当を100億円要求するか、500億円要求するかで、会社に残る金や、設備投資に使える金は大きく違ってくる。

国に払うのは嫌で、外国人の株主にだったら、その何倍でも喜んで払うという人たちの神経が信じられない。

だったら、法人税を高くして、設備投資を全面的に経費で認めたほうが、会社も強くなるし、外国によけいな金も流れないはずだ。

もちろん、それにマーケットが怒ることはありえる。そうでなくても安い株価が余計安くなるというわけだ。しかし、日本企業は空前の利益を出しても株価が上がらない。金持ちにお金を持たせても、彼らが投資をする気がないからだ。

いい加減、マーケットに気を遣いすぎた政策をやめないと内需は伸びないのではないか?

さて、予想以上に菅首相が圧勝した。

私が注目したいのは、党員・サポーター票で、菅首相が圧勝したということだ。

巷で言うほど、小沢氏は、組織票をもっていなかったし、そんな事前準備をしなかった。逆にいうと姑息ではなかった。

地方にしても、菅首相の続投より、小沢氏のほうが確実に、次の選挙のときに助かるはずだ。

民主党員が、ここまで世論迎合だということにあきれたし、小沢氏が予想以上に汚くないこともわかった気がする。

小沢氏が、やればできるはずなのに、党員を無理に増やそうとしなかったということは、実は負けるつもりで出たのかもしれない。

そうなれば、政界再編の芽があるのだが、それも甘い期待なのだろうか?