本日は何を思いついたのか、突然、ナイトショーで『告白』を見に行こうという話になって(見よう、見ようと思って、もうすぐ終わることに気づいてなのだが)、今帰ってきたため、ブログの更新が日をまたいでしまった。

50を超える私は妻と二人で2000円。儲けたような歳をとったような複雑な心境である。

映画のほうはよくできていたが、私の目指す方向性とは違う。ただ、テレビの続きのような映画ばかりでなく、この手の映画があたる、そして拡大ロードショーをするというのは、日本映画にとって重要なエポックではある。

で、昨夜は敏腕の政治部の記者との食事会。

民主党の最大の欠点は、官僚と闘うと言いながらブレーンの層が薄すぎることのようだ。

これでは官僚に言いまかされるのは当たり前だ。鳩山さんのときもそうだったが、管さんもろくなブレーンがいないとのことで、各大臣もろくなブレーンがいない。

実は、みんなの党も同じことのようだ。

いくら賢い政治家でも、守備範囲が限られている。自民党のように官僚に丸投げをしていたらシンクタンクは不要だろうが、そうしたくないのならどれだけの数の官僚を言い負かすことのできるブレーンを集められるかが勝負なのに、どこまでのぼせあがっているのだろう。

みんなの党などにしても、今からでも遅くないから、次の衆議院の選挙の候補者探しと同時にブレーンを探すことだ。

あと、話題になったのは、政治評論家も貧相だし、批判だけのワンパターンだということだ。確かに今の売り出し中の政治評論家はたいてい議員の秘書上がりで、代議士になれなかった(ならなかったのかもしれないが)人ばかりである。

その記者が、「どうせ、どのマスコミも受からなかった人でしょ」と言っていたが、残念ながらその通りなのだろう。

で、その上で盛り上がったのが官房機密費問題だ。

自民党が3億円持ち逃げした(これに関しては記録が残っているようだ)のに、どのマスコミも突っ込まない。

これは、マスコミがそれだけもらっていたということなのだろうか?

「民主党の小沢氏がたった3、4億の金であれだけ叩かれているのだから、月に5000万円の官房機密費を糾弾すれば、十分なカウンターパンチにならないのか?」と問うと、「おそらく野党時代の民主党がそれだけもらっていたということなんでしょうね」という返答。

おいおいという感じである。

小沢氏の出所不明の金よりたくさんの官房機密費が民主党に回っている、マスコミにも回っている。

これでは自民党を叩けないし、野中広務氏の顔色を常に窺わないといけない。

どうして、民主党は政権をとってからのことを考えた行動ができなかったのか?自民党に弱みを握られ、政権を取った後のブレーンを用意しない。

選挙に勝つだけなら、タレントでもできる。二流タレントは選挙に勝てないが、日本でもっとも影響力のある人間が、首相や天皇でなくて、芸能人であるというすごい国だ。

でも、政治のほうは、頭を使わないとできない。

朝の番組では、地方分権が話題になっていた。

税金やそれに対するサービスまで各地方、各県で決められたら、より行政サービスがいいところにみんなが引っ越すようになるという競争原理が働くというのがみんなの意見だ。

しかし、移り住めるのは、おそらく金持ちだけだ。弱者も、体の弱い人間も、お年寄りも、貧乏人もそうはいかない。

アメリカのように金持ちが住む地域は、税率が安いのに教育や行政サービスがいい代わりに、地価が高いから金持ちしか住まない。貧しい地域は税収が減るうえに、行政サービスも悪くなり、貧困者は野垂れ死にすることになる。

地方分権や競争原理などということばは、カープのていたらくを見ていたら、ある程度のアファーマティブアクションがないと成り立たないことはわかりそうなものだが、大阪は阪神タイガースが強くなったのをみて、自由競争になれば強くなれると知事は信じているようだ。

私はそんなことをやられても実害は被らないだろうが、日本の多くの貧しい人たちはそうはいかないだろう。

ドイツは地方分権だが、いまだに旧東ドイツ地域の失業率が30%代で、行政サービスもかなりの差をつけられているということは、誰も見ようとしないのだろうか?