カープが弱い。本日はかろうじて点をとったようだが、4試合も続けて完封負けというのは、弱いというよりやる気のなさの問題だろう。昔のカープは戦力のなさを守備や走塁の練習量で補っていたが、どうせ勝てないと思うと、そういうせこい勝ち方、せこい点の取り方ができなくなるから弱さの悪循環に陥っていく。

今の日本経済をみているようだ。

本日も読者承認のメッセージで嬉しい励ましのことばを聞く。自分が何らかの形で役に立つことができた人がいることを知ると本当に嬉しい。

役に立つと言えば、ときどき、次にやりたい仕事はないかというようなことを聞かれる。

映画も撮ったが、もちろんもっと撮りたい。政治家などと言ってくれる親切な人もいるが、器ではない。(ブレーンなら多少興味もあるが)

実は、私がやってみたい仕事はテレビの編成である。

今のテレビ局の横並びはひどすぎる。

一局がバラエティをやるとバラエティ(深夜などとくにそうだ)、一局がニュースをやるとよそもみんなニュース。

ある人に聞いた話だと、コマーシャルの時間も合わせているし、スポーツニュースの中でも野球なら野球のニュースの時間まで合わせているそうだ。

まさにカルテルである。

昭和天皇の崩御の際に、よそがすべてお悔やみ番組をやった際に、テレビ東京だけが温泉だか、食べ物の番組をやって15%くらいの視聴率を稼いだそうだが、よそがみんな同じだと違うことをやるだけでそこそこ視聴率が取れるのだろう。

それ以上の問題は人口の高齢化に対応できていないことだ。

昔の高齢者と違い、今の高齢者は高度成長期時代のサラリーマンが多く、夫婦とも宵っ張りが多いのに、深夜枠はすべて若者迎合で、NHKが昔のドキュメンタリーの再放送を流すだけで視聴率を上げる。

そういう意味では、中高年や高齢者に向けた編成をするだけで勝てそうな気がする。

実は、テレビ創成期の1950年ごろの日本人全体の平均年齢は26歳、今はそれが45歳近くなっている。メインターゲットが20年も歳をとっているのに、いまだに若者番組をやっているのは、スポンサーや金を払う視聴者への背信である。

中高年以上に向けたコンテンツを充実させるだけで、レーティングが取れそうな気がする。

ドキュメンタリーは金と時間がかかるという。

でも、今の1時間番組はたとえば科学番組でも半分はテレビのキー局がもっていき、残りの半分がMCやひな壇芸人がもっていくという。MCとひな壇芸人に金を使わなければ、はるかに良質な番組が格安でできる。

それ以上に視聴率が取れそうなのは、中高年以上でも笑いの取れる番組だ。

今や笑点は、大河ドラマや月9そのほかを超えて、週間視聴率のトップになることが多い。

中高年や高齢者でも笑える番組だからだろう。

箸が転んでもおかしい若者を笑わせるのなら、箸が転ぶレベルの芸で十分だが、脳が老化して、強い刺激でないと笑えない中高年や高齢者を笑わせるのにはまともな芸が必要だ。

ひな壇芸人は箸が転ぶレベルの芸であるが、笑点の芸では中高年も笑うし、若者も笑う。

これがプロとアマの差である。

ひな壇芸人の芸というのは、タレントが野球をやっているのと同じである。

イケメン俳優の野球大会なら、一回なら面白がって見るだろうし、レーティングも取れるだろうが、毎日やるならプロ野球に勝ちようがない。

素人の草野球を毎週毎週見させられる身にもなってほしい。

お笑い番組でも私が企画すればレーティングが取れそうだ。

そして、今や年に600本も映画が作られるのに、ほとんどが映画館で上映されない。

これを再放送枠で流せば、一本10万円でもやってほしいというプロダクションはいっぱいある(そのほうがDVDを借りてもらえるからだ)。

あるいは、私がテレビ東京の編成に入ったなら、「あなたが見ているのはテレビ東京ですか?それ以外ですか?」というキャッチコピーで、教養番組と経済番組に特化した局にするだろう。

そのほうが視聴率も取れるし、高い購買力をもった客を相手にしているので広告も取りやすい。日経がやっている局なのに、そんなことも思いつかないのだろうか?

ま、若いタレントと遊ぶためにテレビ局にいるクズ社員たちは、そんなことをわかっていてもやらないだろうし、広告代理店も同罪だ。

ただ、CMを売っても売れるようにならなくなっているのに、金を払わされている企業の宣伝部の人間の罪が問われないのが不思議だ。

一番、会社で甘い汁をすい、営業のように実績を見られない部署だから、コネで入った人間や一族がやっていることを、一番よく知っているのは広告代理店のようだ。

それでも私はテレビの編成をやって、仕事ができる人間と一度でもいいから思われたい。

営業や経理や財務や宣伝部でそれだけ活躍できるとは思えないからだ。(世の中のサラリーマンの人はそれができるから私より100倍偉いが、テレビの人間には勝っている気がしてきた)