本日も多くのメッセージをいただいた。

気になるメッセージを二つ。

一つは、私がEBMの信者で、いろいろな条件を考えずに疫学調査を信じてしまうというメッセージ。何度も言うが私は絶対に正しいものはないという考え方だ。EBMが正しいとか、旧来型の理論が正しいとかいう議論だっておろらくは過渡期の議論だろう。糖尿病だって、考え方がいろいろ変わってきたし、今後はもっと変わるかもしれない。だから、これまで習ってきたことを疑う必要があるというだけで、EBMが絶対に正しいと言っているわけではない。ただ、私や浴風会時代の高齢者での経験から高齢者は血糖値の正常にこだわるとさまざまなよからぬ症状が出るのは、自分の目で見ているのも確かだし、ひどい場合は認知症の扱いも受けている。どっちが正しいという瑣末な議論をするより、目の前の患者さんの幸せを考えるほうがいいし、今の医療もしょせんは発展途上と考えるようなスタンスでいたいというだけだ。日本では決めつけ型で、私の学位論文(外国では評価され、日本人初の論文になったのだが)を落とした佐藤光源氏のように、自分のやっていることだけが正しいと思うような人でないと大学では出世しないのだろうが、患者本位でいたいと思うだけだ。わかりきったことを証明するような東北大学の学位論文のようなものでない限り、チャレンジングな論文はみんなケチがつくだろう。

もう一つ、アスペルガーの人を教えている学生が、自分の身内でもないのに、真剣に将来を考えてあげているメッセージ。たぶん、このメッセージの主の考え方は正しい。知的にはそこそこ優れているが対人能力に障害のある生徒の将来を考えるなら、資格を取らせてあげるのが賢明だ。しかし、医学を学び、教えながら、差別が好きで、患者のことをちっとも考えない、決めつけの好きな大学医学部の教授たちが、こういう障害者を落とすために入試面接をやめようとしない。

これも偶然の一致といわれそうだが、大学病院が強い県ほど平均寿命が短い現在、早く医学教育のシステムを変えることを真剣に考えてほしい。

こういうハードルはあるにせよ、その子の能力特性を活かして、大学受験や資格試験の合格を勝ち得てほしい。

さて、ある人から民主党や小沢氏が、実は女性蔑視だということを聞いたことがある。

実際、民主党や小沢氏は、男には高い学歴を求め、そうでないとなかなか立候補させてもらえない。また議員になっても当選を重ねないと大臣にしえもらえない。

ところが女性に関しては、若さとかルックスとか知名度で選んでいるし、人気があれば、若ければ、学歴や当選回数に関係なしに大臣にするという人事なのだそうだ。

言われてみると確かにそう見える。

逆に考えると、民主党は、女は若ければいい、やせていればいい、ルックスがよければいいということで学歴や当選回数の二の次ということになる。

もちろん、今は東大生の4分の1は女性だし、医者の3,4割は女性で、女性でも高学歴な人や、歳をとってからも頑張る人はいくらでもいる。

でも、民主党にとってはそれはどうでもいい人なのだろう。

高校受験も大学受験を経験せずにモデルをやれるほどのルックスの人なら議員にが簡単に大臣になれることが本当に女性の代表といえるのだろうか?

むしろ、こういうことは男の私にはわからない。多くの女性の意見を聞いてみたいことである。

ただ、逆を考えると、そういう人は若くて人気のあるうちは大臣になれるのに、当選回数を重ねて、テレビ的な人気がほかの人にとって代わられたらその座につけないこともあり得るだろう。むしろ、そちらのほうが問題だ。

ところで、テレビでニュースを読んでいる人は賢く見えるが、しゃべるのの下手な学者はアホそうに見える。

でも、テレビでニュースを読んでいる人は原稿がないとどの程度の議論ができるかわからないが、口下手の学者のほうが官僚の意見にきちんと批判できるかもしれない。

見た目とか、テレビ受けとかで判断することはとても危険だと痛感している。

実際、昨日のマツダの事件でも、さっそくテレビから出演依頼がきたが、犯人の性格や事件の動機を断片的な情報から判断できないが、ある程度、怒りの鬱屈のメカニズムだとか、わかっている情報から論じられることの可能性は言えるというような返事をしたら、数分後に電話がかかってきて、「それならいいです」ということになった。

テレビは、少ない情報から決めつけられることのできる人間が大好きなのだろう。ニュースショーならそれでもいいかもしれないが(とは私はあまり思わないが)、一国の政治となればそうはいかないのではないかと私には思えてならない。