私には経済のことはわからないが、おそらく一つ言えることは、日本の今の不景気はお金がだぶついているのに不景気だということだ。

昨日も銀行に新しいクリニックの口座を作りに行ったら、15分くらい待たされてやっと順番がきたと思ったら、新規の方は別の窓口ですとたらい回しにされて、すぐに作りますと言われて、15分待たされた。三菱東京UFJだったが、そういうことはそしらぬ顔だった。で、次のアポイントを忘れていたことがあって、結局自宅に戻った。

胸糞悪いから本日はりそな銀行に行った。三菱東京UFJよりは100倍愛想はいいが、テラーの仕事が遅い。口座を一つ作るのに1時間というのは、すべての予定が狂ってしまう。

要するに口座開設は招かざる客ということだろう。実際、引き出しは24時間できるのに、入金、預金はATMでも6時までとかいうことが多い。日銀がゼロ金利で金を貸してくれるし、貸付先もないから預金も要らない状況になっているのだろう。現実に運用先がないからみんな国債に流れてしまう。

朝テレビを見ていたら、韓国の最新のIT事情をやっていた。これから携帯サイトが外国でも本格的になってくるからソフト不足も深刻だという。

日本でもスマートフォンと関連ソフトなどを合わせると市場規模は10兆円くらいになるかもしれない。しかし、競争は激しいし、外国もすぐに真似をしてくる。

高齢者が人口の4分の1になり、高齢者のほうが金をもっている現状を考えると、高齢者の消費だけで、100兆円から150兆円の巨大市場なのに、それが常に忘れられている。しかも、高齢者は金をもっているのに財布の紐が固い。

私が相続税100%を主張するのも、高齢者に金を使わせたいからである。

もっていても、税金に取られると思えば、おそらく消費は伸びる。

世界に先駆けて高齢者市場ができ、高齢者向けのサービス業や、製造業が発達すれば、それは確実に輸出産業になる。高付加価値であれば、賃金をけちらなくても、為替のぶれにびびらなくてもいい産業である。

なぜ世の経営者や起業家は、高齢者に目をつけず、大した市場規模にならない(もちろん高齢者と比べての話であるが)若者向け産業、若者向けIT、若者向けエンターテインメントにばかり目を向け、力を注ぐのだろう。そして、広告も若者向けばかり。高齢者向けの広告を打ちたいなら、それに合わせて番組を作るはずだが、商品が出ないから、高齢者向けの番組も増えない。

若い人がファストファッションしか買わないのなら、高齢者にホンモノを高く買わせる方法論を探した方がはるかにビジネスチャンスだ。三越のブランドなどだって、ブランドとしては使いようがある。田舎の高齢者に向けて、ちょっと高いが本物に近い料理などを出す店だって、今の流通や冷蔵技術を使えば可能だ。

個人金融資産の6,7割、土地資産の7割くらいは高齢者がもっているという説もある。毎年、相続される財産は80-90兆円らしいが、その多くは60歳以上の人が手にして、死ぬまで使わないで次の代に継ぐ。

こんなことで経済が回るのだろうか?

ここからの税収もわずか、1-2兆円にすぎないし、消費にもほとんど回らない。これを強制的に使わせるインセンティブとしても、財源としても、本気で相続税を考える時期がきている。

少なくとも金を貯めることが国の資本にならず、消費が足りない世の中では、こういうことを本気で考えたほうがいい。