ラッシャー木村が亡くなった。

ちょっと懐かしい名前だ。一時期ファンだったことがある。

高校時代、友人でアマチュア・プロレスをやっていた奴がいる。要するに素人で、プロレス(五輪競技のレスリングでなく)を本気でやって試合をしていたのだ。

彼に聞くと、実は、プロレスというのは、なんやかんや言って大きい奴が強いし、派手な技より地味な技が効くという。

投げ技の類は、受身がある程度てきると大してきかないし、飛び技はよほどの体重がかからないときかない。メキシコ・プロレスとか、女子プロレスは体格が小さいから、技は派手だが、実はきかない技が多い。だから本当は強くない。

実際にきくのは、たとえば絞め技や握力のあるレスラーにクローをされたりするとたまらないのだそうだ。

体重をかけてこられたり、背の高い人からの空手チョップも相当きくらしい。馬場の場合、3mくらいの高さから空手チョップを落とすから、利きすぎてしまうらしい。そこでわざとゆっくりやるのだが、それが手抜きとか八百長にみられるらしい。

動きの鈍いレスラーが弱いように見えるがまったくの逆だという。

この話が本当だとしたら、その友だちに言わせると、猪木は多分強くないのだそうだ。意外に強いレスラーとして名前を聞いたのがラッシャー木村だ。

国際プロレスという弱小団体にいて、弱小団体のリーダーとして組織を守るために猪木の負け役をやらされていた木村には、カープファンになったとき(セリーグの会長が巨人出身のためにリーグを追い出されないためなのか、大事な試合はしょっちゅう負けていた)と同じような気分でファンになったというわけである。

カープと違って、その後どうなったかを追っていなかったが、突然の死に本当に驚いた。合掌。

さて、昨日、日本が格をもつしか、現状の財政を考えると防衛は難しいのではという話を書いた。

実際、日本はアメリカの核の傘にある。そのおかげで国が守られているし、外国が日本においそれと手出しということになっている。

その代償として日本は基地を差し出し、多量の予算を米軍に渡し、あげくの果てに自国のいたいけな少女が米軍にレイプされたり、車でひかれたりしても泣き寝入りしている。

でも、核の傘を借りるというのは、自分の国で核兵器が作れない途上国の話だろう。作れるのにNPTを守って作らないだけとかいうのなら、核保有国がそれを守るのは、むしろ義務と言えるものだ。

日本が地位協定を変えてくれと要求したら、「お前には核の傘を使わせない」とか、もともとは自分のところの軍人が少女のレイプ事件をおこして、移転する話のきっかけになったというのに、「代わりを用意しないとお前の国を守ってやらない」とかいう話なら、「上等じゃないか、うちとしてはNPTを守りたいが、アメリカが守ってくれないというから、仕方なく、核を作ります」とでも言える外交がなぜできないのか?アメリカがレイプの落とし前で移ると言ったのに、代替地を用意できないと、アメリカ様の約束を守らないから守ってもらえなくなると騒ぐマスコミはなんなんだ。

核をもちさえすれば、解決がつく問題はいくらでもある。

ただし、当然、外交的な制裁を受ける。

昔なら、石油を売ってもらえなくなるという話だっただろう。メジャーが強かったころは産油国は欧米に逆らえなかった。

今、日本が格を作ったからといって、イスラム諸国が、日本に石油を売らないという話にはならないだろう。むしろ、核を売ってくれとすり寄ってくるかもしれない。

最悪、ベネズエラから石油が買えるだろう。

問題は、日本製品を買ってくれる国の機嫌を損ねることだろう。

日本がNPTを脱退したり、核を作るという話になれば、よほど上手に外交努力をしないと、中国やアメリカの不買におびえないといけない。

イスラムやインドに日本製品を売るだけで、十分石油を買うくらいの金は出るのだが、日本の大企業が外需依存国家にしてしまったので、それはおそらくできない。

結局、日本が格をもてないのは、建前主義や左翼以上に、卑しい金持ちが労働分配率を下げて、内需を壊し、外需頼りの経済にしたという要因があまりに大きい(誰も言わないが、これが怖くて、財界がもっとも核保有に反対するだろう)

内需の弱い国には真の独立はない。

というような話を酔っぱらって、雑誌『正論』の編集者たちにしたら受けたが、お追従なのだろうか?