読売新聞のメガチャイナという記事を読んでいると、日本はこのまま中国の属国になるのかなという不安はどんどん高まってくる。

学力のほうも中国人にまったく歯が立たなくなった。暁星国際高校から9人東大に現役で入ったら、全員中国からの留学生だったという話も出ていた。

日本企業や日本の不動産もどんどん買いあさられているらしい。

ラオックスという家電量販店がいつの間にか中国企業に買われていた。

ただ、その再建の仕方が面白い。ヤマダ電機やヨドバシに対抗するとか、安売り競争をするのではなく、中国語のしゃべれるスタッフを大増員して、日本製品に憧れる中国からの観光客を呼べる店にしたり、逆に日本のショップに憧れる中国にショップ展開をしているそうだ。

まだまだ、中国人は日本製品に憧れをもってくれている。

日本の百貨店も中国人の観光客がどっと押し寄せる時期にはメイドインチャイナの製品をはずして、日本製品に置き換えるという。彼らは、商品のタグのチャックが厳しくて、メイドインチャイナとわかると即座に売り場に商品を戻してしまうという。ユニクロ製品を憧れて買おうとすると、日本製でないのを知ってがっかりするとか。

で、中国の金持ちや大企業はそれを利用しようとしているのだろう。

要するに、そのブランドイメージを保って、高いものを売るのに使ったほうが、安売り競争に参加するより利益が出るから、日本企業を買いあさるのだ。

日本企業が次々と黒字転化して、ちょっとした話題になっているが、そのために大リストラと賃下げをやって日本の製造業や流通業のマーケットがどんどん小さくなっている。

おかげで、景気はすっかり海外頼りになるし、これだけ企業業績がよくなっているのに、NYが下げると東京のほうがもっと株価が下がるというバカな状態が続いている。

日本企業のバカ経営者たちは、ブランドイメージを保つことより、国際競争力がコストを下げることだと勘違いして、賃下げをやったり、工場を海外に移転したりに躍起になっている。

しかし、中国が企業を買うと、まずブランドイメージを大切にして、メイドインジャパンと名乗れる状態を保ってくれる。中国に買われるほうが日本人の雇用が守られるというパラドックスが起こっているのだ。

ヨーロッパは早くから安売り競争に参加するより、ブランドイメージを守ることで、製造業を維持したし、中流を維持した。中流層が分厚く、貧困層がほとんどいなければ、消費税を少々高くしても、社会不安が起きにくいし、消費税増税のたびに、消費が落ち込むこともない。スイスは相続税がゼロだとか、法人税が異様に安いとかで、日本の金持ちたちが、スイスのように金持ち優遇にしたほうが経済がよくなる見本のように言うが、その代わり、最低賃金だって異様に高い。歩いて行けるフランクフルト国境のあたりだと、物価がスイスのほうが倍もするのに、誰もフランクフルトまで買い物に行かないほどだという。

そして、フランスのLVMHにしても、スイスのリシュモンにしても、イタリアあたりの高級ブランド会社を買収しても、ブランドイメージをさらに良くする方向で再建していく。賃下げやリストラでは、それがかえって下がってしまうと考えるし、イタリアのブランドを中国に作らせたら安く済むなどという発想はない。おかげで、景気がいい国、金持ちが増える国ができるたびに、ヨーロッパは潤う。

おそらく、中国の企業買収家は、この路線を考えているのだろう。

どうせなら、日本企業がもっとどんどん中国に買われていくほうがましのような気がしてきた。

日本も香港などのように中国の一部の扱いをうけるのだろうが、高級品を作る場所、高級なものが食べられる場所、高級リゾート地として生き残るようなブランド戦略が日本のノータリン経営者たちにない以上、中国が日本をブランドとして利用してもらうほうが、日本人にとってははるかに幸せだ。

日本人と違って、中国人は人品が卑しいから、絶対に日本に勝てないと、高山正之さんや日下公人さんが言うが、その人品だってあやしくなっている。中国では1000億円もある全財産を寄付して、子供に一円も残さない富豪がでてきているのに、日本ではそんな話は聞いたことがなくて、数億円の寄付でスーパースターなのだから。

娘にも中国語を勉強するように勧めなければなどと本気で思った。