本日は激励、その他もろもろ、いろいろなメッセージをいただく。長文のものもいただくが、それぞれ読ませるいいメッセージだった。

その中で、一つ、ちゃんと答えておきたいメッセージがあった。私にとっての愛国とか保守とは何かということである。

共産党を上手に利用しろとか、相続税を100%にせよとかいう人間が、保守と言えるのかへの疑問は強いだろう。

実は、たまたま昨日は、林真理子先生のお招きで、某一流雑誌の編集長と、医療の世界の超大物と食事会に参加した。

そこで、話題になったことに医療崩壊というものがあるが、結局のところ、病院に医者が残らなくなった背景に拝金ということがあるのではないかという話になった。

昔は、大学病院に残る医者、究極的には教授になる人がいちばん偉く、次が大病院の医者で、開業医というのは最低ランクだった(かつて私は高齢社会には地域型開業医が必要と思っていたので、開業医不足につながるこの構図を批判していた)。その代わり、収入面では大学病院がいちばん少なく、次が大病院で、開業医がいちばん金になる。

ところが拝金論がはびこると、お金を持っている人が偉いということになるので、誰も好き好んで、忙しいし、上が厳しいのに金にならない大学の医者になどならないし、当直もあるし、難しい患者の医療がうまくいかないと訴えられる大病院の医者になどならない。開業医にみんなが走るのは当然のことだと。

もしこの拝金社会のまま大病院に医者がいつくようにしたければ、アメリカのように病院医師にものすごい高額の給料が必要となる。

これではものすごい高コスト医療になってしまう。

そこで私は考えたのだが(つまり、その場での話ではない)これは、ほかの世界でも言えることだ。昔は官僚は尊敬されていた代わりに給料が安かった。今は尊敬されないので優秀な人材はみんな外資にいってしまう。

拝金主義がはびこると国のために必要な優秀な人材確保がひどく高コストになってしまう。

私のいう保守とは、やはり昔の価値観を取り戻し、金持ちはよほどの寄付をしなければ卑しいと言われるし、累進課税に耐えないといけない社会だ。

昔は、確実に、いくら金になっても賤業といわれるものがあった。そういう業種の人は金があっても、子供を医者にしようとした。金よりステータスのほうが大事だからだ。今はそういう業種の経営者が、子供を小学校から大学までつながった付属校にやり、青年実業家と名乗らせ、官僚の娘のタレントと結婚して、セレブなどと称している。

これでは、子供が勉強して、偉くなろうとは思わないだろう。

勉強しないで金になれば何でもいいと思うか、あるいは、どうせ金のある奴には勝てないと諦めるかだ。

実際、名誉や学歴は本人の努力なしに、世襲できない(もちろん慶応の幼稚舎に入れるなどという形で世襲しようとする人はいるだろうが)が、金のほうは相続税が安ければ、どんなバカだって親が金持ちなら金持ちになれる。

私のいう保守とは、そういう日本の良かったころの価値観を取り戻すことだ。

愛国というのも愛国民と言っていいかもしれない。

北朝鮮をみてバカにするのは簡単だが、日本だって、飢えたり、ホームレスになったりしている人はいくらでもいる。これはヨーロッパではない光景だ。

私は同胞がそんな姿でいるのは耐えられない。税金が高くなっても、救貧はきちんと行うべきだ。

あるいは、ゆとり教育やマスコミの扇動で、日本人がバカになっていくことも耐えられない。

韓国人や中国人が出まかせな歴史教育をするのは、こっちも「あっちのほうが愚か」といえるが、彼らのほうが学力が高くなり、日本の企業を買いあさって、日本人を劣等民族とか、バカ民族と呼ぶようになるのは耐えられない。

私の定義する愛国教育とは、私有財産より国や国民のほうが大切だと教える教育だし、保守教育とは、守らなければいけない価値観があると教える教育だ。

逆に卑しい奴が笑われるくらいでないと、拝金主義は治らない。

税金が高いからといって国を出ていくような奴は、笑い物になり、石を投げつけられるまではいかなくても、恥をかくくらいでないと、いくら軍事力が強くても強い国にはならないだろう。もちろん税金を払うのが嫌な金持ちしかいない国には軍事力を維持する金さえ用意できないはずだ。