本日はいくつか価値のあるメッセージをいただいた。

昨日のブログは、どんな子どもでもいいやり方で勉強すれば受かるという普段の主張との矛盾があるのではないかというものだ。

確かにそう思われても仕方がない。ただ、残念ながら受験には絶対はない。たまたま、昨日は私の塾の卒業生を送る会みたいなことをやっていて、終わったあと、東大の理Ⅲに行っている学生数人と話をした。実は、今回の卒業生で悪いほうの番狂わせが二人ほど起こってしまった。彼らに言わせると10回受けて2回落ちるレベルまで持っていったはずなのにという話だった。そして、彼ら自信の自己評価も高い人で10回受けて2回落ちるレベル、「俺はそこまでいっていなかったけど受かった」「10回受けて3回くらいのはずだったのに、その3回が最初にきてラッキーだった」というような会話が続いた。東大理Ⅲに受かるというのでもそんなものなのである。

私も長らく教育産業を続けていて感じるが、確かにあるレベルまで学力をもっていくのは、その生徒がきちんとこちらが出した課題なり宿題なりをやってくれれば可能だ。ただ、それでも、自分にあった問題が出る、出ない、当日のコンディションによって合否は決まってしまう。そして、合格最低点から10点以内の差で落ちる人間が東大でも100人以上は軽くいるはずだ。

だから、受かるかもしれないところに持っていくことは可能でも、絶対に受かるところまで持っていくのは相当難しい。

また、志望校にしても、理Ⅲと理1では合格最低点が440点満点で80から90点違う。理Ⅲに受かるつもりで勉強をしていたら、理Ⅰならよほどコンディションが悪くない限り受かるということはあるかもしれない。

18歳の子が10年以内にどうしても理Ⅲに受かりたいというのなら、本人の真剣度に応じて考えようもあるだろうが、そのチャレンジャーの年齢を考えて、無理をさせたくはなかったし、私も痛感するが、記憶力は年齢とともに落ちてしまう。

そして、それ以上に問題なのは1日15時間勉強するつもりですと言われて、私が、少なくともこれまでの経験で、そういう人を見たことがないことだ。手の届きそうな目標なら人間は頑張り続けることができるかもしれないが、大変、失礼だが、それが私には現実的に思えなかった。

でも、その人が理Ⅲを目指して頑張るのも悪くない気もする。現実的に理Ⅲは無理でも、そのくらい死に物狂いで勉強すれば理Ⅰなら受かる可能性も出てくるし、一般の国立の医学部の芽もあるだろう。

私として出来ることは、多くの受験生に少しでも希望の大学にはいりやすくする手伝いをすることくらいだろう。

さて、もう一人、私の法人税論議について日本電産の永野重信社長が現状のままなら日本を出て行くと語った話
http://www.nikkei.com/biz/blog/article/g=96958A9C93819499E0E6E2E3888DE0E6E2E1E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E2E3E2E0E0E2E3E2E1EBE5E7
を教えてくださったメッセージだ。

何度もいうが、法人税というのは利益に対する課税である。

たとえば売り上げが100億で利益が10億の会社なら、現行では28%の法人税なので2億8000万の税となる。それが仮に18%に下げれば1億8000万円ということになる。売り上げに対しては1%の増収ということだ。内部留保を1億円多く持つことができるが、人が考えるほど減税の効果は大きくない。ところが税務署がその分経費の算定にきびしくなって2億円経費を否認すると3600万円利益が減ることになる。

減税をする以上、経費についてはこれまで通り認めると約束してもらわない限り、会社は経費をさらに切り詰める。それが消費不況をさらに加速させる可能性があるといいたいのだ。

昔と比べて減税効果が上がらない理由は、ひとつは消費不況のため会社がこれ以上のコストカットを図ることが危険だと私が考えていることがある。そうでなくても、法人税が下がって利益を出すとたくさん手元に残るという話になれば、その強いインセンティブになる。国際競争に勝てないという言い訳で従業員の給料を減らし続けて、空前の利益を上げている会社はいくつもある。そして、その多くは東京の会社だ(日本電産は京都だが)。地方の多くの赤字の中小企業はそのとばっちりを受けて、下請けたたきや消費不況の被害にあえいでいる。

さらに、昔と違って株主が強くなっているということもある。株の配当は法人税をひいた税引き利益から出すのだが、せっかく内部留保を残そうとしても株主にもっていかれたら会社は強くなれない。

実は、そういう意味で日本電産は特殊な会社である。

永野氏が起こした会社だから、利益を出してももっていくと主張する株主が弱い。もうひとつは、M&Aを進めていったため、自分たちがのっとった会社から配当を得ることが利益になる。この点でも法人税が下がると嬉しい。

しかし、海外に逃げていくと堂々といえるのはたいしたものだ。自分で作った会社だからそういえるのだろうが、技術者や幹部社員、生産ラインの従業員は日本人でなくてもいいと言っているに等しい。アパレルならともかく、先端技術の会社の社長がそう思うことがはからずも明らかになった。

これもゆとり教育のおかげだろう。

ゆとり教育は、税金を上げたくても上げられない国を作り、内需より競争力を考える社長たちがこれだけ多いのなら、ものを買ってくれる中国に頭が上がらなくなるのは時間の問題だ。

まだ、日本は内需依存の高い国なのだが。
強くなっているということもある。株の配当は法人税をひいた税引き利益から出すのだが、せっかく内部留保を残そうとしても株主にもっていかれたら会社は強くなれない。

実は、そういう意味で日本電産は特殊な会社である。

永野氏が起こした会社だから、利益を出してももっていくと主張する株主が弱い。もうひとつは、M&Aを進めていったため、自分たちがのっとった会社から配当を得ることが利益になる。この点でも法人税が下がると嬉しい。

しかし、海外に逃げていくと堂々といえるのはたいしたものだ。自分で作った会社だからそういえるのだろうが、技術者や幹部社員、生産ラインの従業員は日本人でなくてもいいと言っているに等しい。アパレルならともかく、先端技術の会社の社長がそう思うことがはからずも明らかになった。

これもゆとり教育のおかげだろう。

ゆとり教育は、税金を上げたくても上げられない国を作り、内需より競争力を考える社長たちがこれだけ多いのなら、ものを買ってくれる中国に頭が上がらなくなるのは時間の問題だ。

まだ、日本は内需依存の高い国なのだが。