外国人患者の引き受けについて、金持ちの外国人患者を引き受けるのは韓国もやっているというようなメッセージで私のアイディアが二番煎じのようなメッセージを受けた。私が言いたいのはそういうことではない。そんなことはシンガポールやマレーシアはとっくの昔にやっているし、マレーシアなどは貴重な外貨確保手段になっている。ただ、日本の場合、日本人対象ですら金持ち向けに保険外で精鋭の医者を集めるという病院は皆無なので、金持ち向けの治療には現状では向かない。ただ、アメリカの無保険者やあるいは、カバーの悪い保険しかもっていない患者にとっては航空運賃を払い、日本で保険が効かなくても、ほとんどの手術や医療(白血病の化学療法など)が日本で受けたほうが安いということが言いたかっただけだ。現状の医療崩壊のもとでアメリカ人にどっと来られても困るという側面はあるが。

あと、「相続税が100%だったら金持ちが税金の安い外国に移住するのは自明だ」というメッセージをくれた人がいる。私の批判者はなぜ「自明だ」とか、「~~に決まっている」とかいう表現を使う人が多いのだろう。世の中にそう自明なことはないし、私の論も基本的には、可能性の一つとして検討する価値はあるという提言をしているにすぎない。私の批判者の説が、やってみるとその通りになることもあるだろうが、少なくとも自明とか当たり前ということはない。

おそらくその批判者は「金持ち」ではないのだろう。私はかなりたくさんの金持ちを知っているが、相続税を100%にしても移住すると思える人はほとんどいない。

税法に詳しくなくて申し訳ないが、相続税というのは日本に住んでいれば国籍を変えてもかかるはずだ(在日の人も課税されると聞いているのでおそらくそうだろうが、知っている人は教えてほしい)。

課税対象が、相続する側なのか、受ける側なのか(おそらく後者のような気がするが)は知らないが、仮に前者だった場合、自分が財産を築き上げてきたような人が、晩年、医療も貧困で(ヨーロッパでは老人福祉はいいが老人医療はほとんどやらない。アメリカの場合は、一泊数十万円取られる)、食事も口にあわず、日本語がろくに通じない外国で(外国に住めば、見舞いもめったにこないだろう)、子供に財産を継ぎたい一心で、そんな暮らしが我慢できるように思えない。

相続を受ける側が課税対象だった場合、財産がほしければ外国に住めということはできるだろうが、子供が社会的地位を築き上げているなら断るだろう。親の財産をあてにして、ろくに仕事ができない人間なら、課税対象にならないという理由で外国に移住するかもしれない。しかし、職につけないだろうから、その間、生前贈与を受けるしかないため、ここで課税することは可能である。

子供に会社や店を継がせたいなら、外国に移住させるわけには行かない。ただ、親が65歳で引退して子供に社長を継がせるなら、20年間にわたって社長の給料を払うことができる。手取りで10億やそこらの金を継がせることは相続税が100%になったって可能なのである。それをあえて、子供に海外移住させて、一族でない社長に会社を継がせるようなことをするのだろうか?

人に聞いた話だが、日本はいちばん相続税をあげたり、所得税をあげたりしやすい国だそうだ。

要するに、英語が下手で、食事が日本食に慣らされているので外国暮らしが苦手だということだ。これが英語が通じる国(たとえばイギリスやスウェーデン)が重税だった際にずいぶんアメリカに移住者が出たが、食べるものもアメリカのほうが金を出せばおいしいものがあるし、言葉も通じるなら、移住の決意は簡単かもしれない。日本も若いベンチャー社長などには、外国に住むことに抵抗がないし、言葉の不自由もない人が増えている(村上世彰がいい例で、シンガポールに移住していた)。こういう人が増えてくると増税はやりにくくなる。タイムリミットが来る前に増税するほうが賢明だ。

本来、愛国教育というのは税金が高くても、その国のために払いたいと思わせる教育のはずだが、日本の保守の連中は、日の丸をあげて君が代を歌えば愛国者で、税金はむしろ負けろという人が多い。こんなことで国が強くなるのか?

さて、本日車に乗っていると、金嬉老が死んだというニュースが流れた。ヤクザとはいえ、日本人を二人殺し、その後、旅館の宿泊客と職員を監禁した立派な刑法犯だが、仮釈放のあと、韓国に移住し、そこでは英雄扱いを受けたそうだ。

差別的で、悪人の国の人間なら殺しても監禁しても英雄視するというのなら、拉致をやった人間を英雄視できてしまう。

こんな極悪非道の人間を英雄視することが許されていいのか?それをもっと日本人は怒るべきではなかったのだろうか?結局、この男は韓国でも暴行事件を起して刑務所(医療刑務所だったようだが)に入れられた。

拉致ということにしても、実は韓国のほうが北朝鮮より技術レベルは高いという話もある。

北朝鮮の拉致はターゲットもろくに決めず、また人のいない日本海側でやっているので、技術レベルが低くてもできるが、金大中の拉致は白昼堂々と東京の都心で敢行されている。

北朝鮮がそんな技術をもっているとすれば末恐ろしい話だが、韓国というのはそういう国であるということも知っておかないといけない。

その韓国の子供たちの学力が日本よりはるかに勝っている。携帯電話の世界売り上げもサムソン一社で日本の会社が束になってかかっても勝てないそうだ。

そっちの危機感のほうが私には現実味が強い。

日本も核武装をどう思うかのメッセージをいただいたが、貧乏国が安全保障を得るためのいちばんローコストな防衛手段はおそらく核武装だろう(だから北朝鮮が血眼になってやろうとしているのだ)。アメリカから高い兵器を買う金がなくなったら核武装を本気で考えたほうがいいかもしれない。