昨日は講演会の関係で、とある日航のホテルに泊まったが、きわめて感じの悪いホテルだった。

その前の日に来た講演用のスーツがしわがよっていたので、クリーニングかプレスを頼んだが、夕方の5時に出したのに、明日の夕方になるという。これでは客の利便もあったものでない。

仕方がないからプレスの特急を出したら、特急料金は5割増しだそうだ。そこまでは仕方ないとしよう。私のミスとは言え、前の日にドレッシングをこぼして、スボンにしみがついていたので、可能ならしみとりを頼んだら「やっていない」の一言。

客のさまざまな注文にどれだけ応えられるかがホテルマンの仕事だという基本がまったくわかっていない。2時間ほどして、プレスされたものが返ってきたが、もちろんしみはそのままだった。言われたこともできないのだから、言われなかったことに気がきくわけがない。この体質がJALなのかと改めて感じさせられた。

さて、民主党について政策が批判されず、枝葉末節なことばかりの批判になっていると書いたら、ネット上の批判者の知的レベルの問題ではないかというメッセージをいただいた。ネット上の批判者以上に、大マスコミの連中も知的レベルを疑いたくなる。

民主党が人気取りなのか、法人税の減税を参院選の公約にすると言いだしたそうだ。

国際的な流れと言うが、例のごとく、アメリカ型経済政策の一環だろう。民主党が庶民の味方と考えるのが誤解なのである。

法人税が高いと競争力が失われると言うが果たしてそうだろうか?

私も会社を経営してから知ったことだが、法人税は基本的に利益に対する課税である。赤字に苦しむ会社化減税の恩恵はまったく受けず、法人税の減税は強い会社をますます強くする性質のものだ。

法人税が高かったころ、よく中小企業の社長たちは、「税金でもっていかれるのがばかばかしいので」ということを言って、高級車を買ったり、接待費を使ったりしていた。利益を圧縮するほうが税金が減るからだ。今は接待費も昔と比べてすずめの涙しか認められず、税率が下がっても、使える金はかえって少なくなっている。もちろん、従業員の給料も、税金でとられるよりはいいと考えられて、税率が高いころは、ボーナスなり、いろいろな形で従業員に還元された。

実は、この「税金でもっていかれるのがばかばかしいので」というのはエクスキューズだったのかもしれない。実際には、税金で持っていかれても経費を使わないほうが(法人税が100%ではないので)会社には金が残る。でも、贅沢を嫌う日本人が贅沢をするためにはそういうエクスキュースが必要だった。おそらく、これは今もそう変わっていないだろう。

逆に法人税率が下がると、利益をたくさん出しても大して税金を取られないので、経費も減らす方向に向かうし、利益が出ているのに、従業員の給料は下げられるということになりがちだ。ついでに言うと、私も何度か税務調査(定期的なもので、脱税が疑われたわけではない)を受けて痛感したが、税率が下がっても、とる税金はなるべく減らさないように税務署は動くから、前は経費と認めてくれたものも否認されがちになる。

要するに税率が下がって、経費がみとめられにくくなると、企業は金を使わなくなる。逆に税率が高くて、経費を認めてくれていた時代は企業はお金をホイホイ使った。

消費不況の際にどっちがいい税制なのかを考えたほうがいい。

ついでに言うと、利益をたくさん出しても、株主が強ければ、それが配当になって、結果的に会社の内部留保は増えない。つまり会社の競争力は強くならない。いっぽうで、株の配当というのは、税引き後の利益が原資になるので、法人税が減税されれば、配当は増える。労働者の賃金や、企業による消費が減って、配当が増えるが、株主の多くは外国人だ。外国人にたくさんもっていかれるために、日本人の賃金が下げられるのなら、まさに植民地である。もちろん、外国が日本の法人税の引き下げを喜ぶ理由もここにある。

鳩山氏は法人税が減税されると自分の懐に入る配当収入が増えるから、法人税の減税に血道をあげるのだろうが、ますます消費不況はひどくなる。

ついでに言うと、企業の競争力ばかりが問題になるが、国の競争力はすっかり内需が大きいかどうかということになりつつある。内需の大きい国にものを買ってもらう側の国はペコペコするのは資本主義の原則だ。

日本は内需を冷え込ませるような政策ばかりやって、外需頼りだから競争力をつけるという名目で法人税をあげる。内需がない状態が続くと、企業の開発力も落ちるし、中国に頭が上がらなくなるが、それでもアメリカのまねをする。

外国人参政権以上に、中国に隷属することにつながる民主党の経済政策には、断固NOと言いたい。

もちろん、個人的には法人税が下がったほうが、私の会社にはありがたいことも付け加えておく。私は自分の利益より国の利益を大切にすることが愛国の本質だと考えている。勇ましいことばかり言って、税金を払わない、右翼の連中が愛国者のわけがない。