朝青龍問題で、私の意見を支持してくださるメッセージもいただいた。素直に嬉しい。

ただ、精神科医なのだから、そんな問題ばかり取り上げないで精神障害者の受ける差別の問題も取り上げろというメッセージもいただいた。

これはご尤もな意見だ。

暴行を受けたのに、うつ病だということを伝えた時点で警察が相手にしなくなったり、追突事故を起こした際に、うつ病の人は運転をしてはいけないと警察に言われたりしたそうだ。

日本の警察ならやりかねない。

精神障害者の団体や精神神経学会の人権委員会などに訴えてきちんとした対処をしてもらえとしか私には言えないが、こういう差別が残るから、うつ病の人が医者に通ったり、カミングアウトしたりができなくて、自殺の数が減らないのは事実だろう。

心の教育とかいうが、心の病についての正しい教育を学校教育や生涯教育に組み込むべきだ。それが地域のメンタルヘルスにつながることは欧米では実証済みだし、自殺も確実に減らす。

さて、トヨタの創業者一族がやっと謝ったと思えば、今度はサントリーの創業者一族が意地を張ったせいで合併がご破算になった。

一族が支配権を確保するだけの合併比率を要求し続けてせいだとか、そんなことは最初からわかっていたのに三菱グループがちゃちゃを入れたとかいろいろと言われるが、一つだけ言っておきたいことがある。

この会社がいまだに同族経営を続けられて、ほとんどが一族で支配できるのは、株式が公開されていないのをいいことに税務署が異様に、その株価を安く評価しているからにほかならない。

さらにいうと、寿不動産という会社の資産にすることで、そこでも資産を圧縮している。

前回、いくら相続税を払ったか知らないが、せいぜい数十億だろう。しかし、今求めているキリンとの合併比率がサントリーの株価の真の評価額なら、佐治一族のもつ寿不動産株の評価額は数千億円になるはずだ(一兆円近いという話もある)。

日本は相続税が高い国ということになっているが、節税対策に税務署が目をつぶる変な国でもある。そのため相続税の存在する国(存在しない国も少なくはないが、アメリカでは廃止しようとしたときに、金持ちがアメリカの活力がなくなると反対した)の中で、とくに大金持ちの実効税率は世界一低いという話もある。

これだけ赤字でいろいろな予算を切り捨てているのに、税務署は金持ちから確実にとれる金を取ろうとしない。前回の相続のころはまだ最高税率が70%の時代だから5000億円くらい取れたはずだ。

政府の赤字を減らすというのンら、ムダをなくすとか、歳出削減も大事だろうが、まず税金をきちんと規則どおりに払わせることも大切なはずだ。小沢氏にしても、鳩山氏にしても、政治資金規正法より脱税のほうがはるかに重税だし、これからきちんと税金を取り立てるという話にならないのは、トップがあんなだからと言われかねない。

佐治一族にしても、合併する時だけ株価を思い切り高くいって、相続税を払うときは時価総額は大したことはないというダブルスタンダードは許されない。

法律にしたがって税金をとるのが法治国家というものだ。

ところで今月のVOICEの上杉隆氏が小沢氏vs検察について書いた記事が面白かった。

小沢氏ははたして復讐をするのだろうか?それとも私の読みのような裏取引があったのだろうか?