私が朝青龍とSMAPのタレントを比較して引き合いに出すことや朝青龍に同情的であることに、相変わらず口汚いことばで批判が寄せられる。

こういう不愉快なメッセージを読むとほかのメッセージを読んだりする気も失せるし、何よりほかのメッセージに冷静に答えることができなくなる。実は、意外に感情的な人間だということを理解してほしいし、私がきちんとメッセージにお答えしないことについて、そういう事情だとわかってほしい。

確かに人を殴って怪我をさせるのと、公然わいせつ行為とどっちが罪が重いかとか、ひどいことをしたとかいうのは、前者のほうがひどい気もする。

しかし、日本では法律の適応がおかしな状況になっているのも確かだ。

傷害の場合は、今回はどうなるかわからないが、親告罪でないのに、親告罪の扱いを受けてきた。要するに、人を殴って怪我をさせても、お金を払って示談がうまくいけば、罪に問われることがなかった。

公然わいせつもそのまま不起訴になることは多いかもしれないが、一応、それなりに取り調べは受けるし、警察にしばらく泊められることは多い。

こういうことはほかにもままある。

前から話題にしているが、痴漢の場合は、まず間違いなしに、何日も拘留されるし、否認をすれば反省の情がないということで、実刑判決を受けてしまう。

ところが、はるかに被害者を傷つけるレイプの場合は、親告罪になっているし、初犯だと往々にして執行猶予がついたりする。痴漢のように証拠もないのに、一方的に訴えられて、実刑判決をうけることはあまりなくて、一応(少なくとも状況)証拠も必要になる。

で、現実に慶応の集団レイプの主犯は訴えられずにすんで、今は無事に医者になっていたりするわけである。

朝青龍の罪が重くて、SMAPのタレントの罪が軽いのだから、朝青龍は相撲界を追い出されて当然というのなら、日本の法律のほうにもケチをつけてほしい。

少なくとも痴漢のほうがレイプより罪が重い国なんて日本くらいしかないなど、実態に即していないことが多いだろうし、暴行傷害のほうが公然わいせつより罪が実質的に軽いのもおかしな話であるが、そういうことを話し合うのは立法府だし、その立法の資格をもつ国会議員は国民が選ぶことができる。

私をぼろくそに批判するのもいいが、朝青龍のことを差別ではない、暴力はいけないことだというのなら、暴行傷害事件は、示談が成立しても罪になるような運動をするなり、そういう世論を高めてほしい。多少は票になると国会議員が感じるレベルになれば世の中も変わるだろう。

私だって暴力がいいこととは思っていない。ただ、朝青龍だけが、同じ暴力でもこてんぱんにされ、たとえば同級生をPTSDにするぐらいの傷害をしても、少年だという理由で、ただの「いじめ」扱いを受けて、何の罪にも問われないとか、わけのわからない状態をなんとかしてほしいと感じてしまうのだ。