本日は、たまたま心の病をもった二人の知的な方からメッセージをいただいた。

一人は何回かメッセージをいただいている方だが、資格試験に合格したとのことで、就職を目指しているという。薬を飲むと記憶力が落ちるなどのハンディを抱えながら、よく頑張ったと思うし、不景気の中、こういう人こそ採用されることを心から祈っている。

もう一人の方は、中学生のときに悩みすぎて、急性の心の病に陥って、その後、不本意な人生を送っている(といってもまだ浪人生だが)という方。

こういう方にはいつもとても申し訳なく思うのだが、私が実際に診ていないから、どのくらいのストレスに耐えられるのかがわからない。

本来なら、一人目の方のように、病気なりにベストを尽くして、受験や資格試験で頑張ってほしいし、なるべく負荷にならないように私の勉強法を含めて、楽な勉強法を利用してほしいのだが、それでも負荷が強すぎるということは実際にはある。

東京近郊なら、私自身が診れなくても、国際医療福祉大学の青山心理相談室なら、安い値段で大学院生(といってもけっこう歳をくった人生のベテランもけっこういる)からカウンセリングを受け、それを私が指導するというシステムを使えるのだが、地方だとそれも難しい。可能な限り、信頼できるカウンセラーを探してほしいとしかいいようがない。

さて、何度か触れたことだが、アンチ・エイジングの研修のために香港に来ている。

私が尊敬するアンチ・エイジング(ということばを本人は遣うのを嫌がり、エイジ・プリベンティングとよんでいるし、ウエル・ビーイングということばを、このクリニックの別のフランス人の医者も提起している)の世界的権威のクロード・ショーシャー先生のところで学びにきた。

私自身、前著『30日間で10歳若返る!』(日経BP)の監修者であるし、今回の『体内リズムダイエット』(永岡書店)にも解説文を書いている。

彼の考え方の素晴らしい点は、食べないことがかえって体に悪いし、老化も進めるということをはっきり主張している点だ。むしろ臓器のリズムに合わせた「食べ方」のほうが大事という考え方だ。ど根性より、方法論という私の受験勉強法にもつながる。

本音をいうと、実は、私が新たなオフィスをもったので、心の問題、親の問題(とくに親が認知症になったとき)などの有料の相談オフィス(残念ながらけっこう高いものになりそうだ。お金がない場合は、前述の青山心理相談室を利用してほしい)を作ろうと準備しているのだが、せっかく医者の免状があるから、ショーシャーメソッドを導入したアンチエイジングもそこでやろうと思って研修を受けにきている。

ショーシャー氏のアンチエイジングの特色は人間の個別性を考えていることだ。西洋医学では、全員に同じ薬を出し、東洋医学では体質に合わせて薬を出すが、ショーシャー氏は、血液検査で体質を調べる。ぜんそくやアトピーのようなはっきりとした症状の出ない、マイナー・アレルギーが体の酸化を強めるので、それを防ぐために、さまざまなアレルギーのテストをしたり、体に足りない食品、とくに微量元素を調べたり。

それで体質に合わせて、食べてはいけないものとサプリを用意する。

アンチエイジング以上に体が楽になるのだ。

さて、昨日は、現在の老化やアンチエイジングの基礎理論を学んだが、DNAや細胞の障害を反映するマーカーが尿でわかり、それが年齢と見事に相関するので、老化を止めたかどうかを尿検査(ただし、一日の蓄尿だが)で判定できるなどということがわかった。

問題は、ものすごい数のアレルギー検査や体内の足りない物質、そしてエイジングのマーカーなどの検査は保険が利かないこともあってかなり高くなってしまうことがある。ショーシャー氏のクリニックもパリや香港などでは非常にはやっているのに、日本では2件くらい提携クリニックがあるが、そんなにははやっていない。

でも、最初にかかる費用をのけたら、くだらない健康食品その他より安い気もするのだが。

いずれにせよ、金持ち相手のクリニックを開くことに、私の読者から批判を受けそうだ。金持ちだけが若返れるのも究極の格差ともいえる(こういうクリニックがあまりはやらないのは、日本があまり格差社会でないのかもしれないが)。

ま、私は金持ちが金を使うのが、(格差の固定と金持ちのためこみがいけないと考えている。)日本の景気にいい影響を与えると信じている。儲けた金で、ましな映画を作るということで勘弁してほしいというのは甘いだろうか?