医学部の現状についての質問のメッセージをいただいた。

医学部が、最近は試験(国家試験)に出ないことしか教えてもらえないとか、国公立の大学ほどその傾向が強いとか、○○科にいくにはどこの大学がいいという情報はどこで得たらいいのかというような質問だ。

前も話したように、多くの受験生が漠然と大学に入る中、大学に入って何が学べるのかに関心をもつのは感心できることだ。

ただ、これについては、さすがにブログで答えられない。そこで、私がPHPから出した『医者を目指す君たちへ』のシリーズの3冊の本は、そういう内容で作っている。医学部受験術と誤解されやすいが、医者の世界を正直に書いたつもりだ。アマゾンなどで検索してみてほしい。ただ、多少は情報が古くなっているかもしれないが。

さて、そのほか、私が愚直で要領の悪い生き方が実は好きな人間だという昨日の内容は、びっくりするくらい反応がきたし、PVもものすごく増えた。

やはりそれだけ要領よく生きられない人が多いし、またまじめな人もまだまだ日本にたくさん残っているのだろう。(実は、そういう人を対象に、『まじめすぎる君たちへ』という本を書いたことがあるが、読んだ人や業界の人にはものすごく評判のいい本だったのに、もとの本も文庫版もさっぱり売れなかった。本を売るのは実にむずかしい)

で、本日は、朝、ラジオを聴いていたら、今いちばんほしいものというものをリスナーから聞く特集をやっていた。

「愛」とか、きれいごとをいうのかと思うと、ダイソンの掃除機とか、850のバイクとか、かなり露骨に物欲の連続。

やはり、庶民は我慢させられてきているのだ。

ものが足りていて、ほしいものがないから買わない。それが不況のメカニズムなのだみたいなことをしたり顔でいう人がいる。

みんながテレビも、冷蔵庫も、車ももっていて、結局は買い替え需要しかないとか、若い人や人口が減っているから、需要が減るのは仕方がないとか、若い人の精神構造が変わってお金を使わなくなったとか

確かに、それを否定はしない。だけど、そんなことを論じている人の多くは、高収入の人だ。

どんどん収入が減らされている一般労働者は、ほしいものがなくなったり、今のもので満足していたり、精神構造が変わっているわけではない。もらえる金が減っているし、その上、将来の雇用が保証されなくなったから、お金が使えないという側面のほうが大きい。実際、エコポイントなどを採用するだけで、ずいぶんものが売れた。ほしくなければ、エコポイントで多少返ってきても買わないはずだ。

そして、お金があるのに、「ほしいもの」がない金持ちにばかり金がたまる税制(アメリカでさえ、相続税の最高税率があがり、基礎控除額が大幅に減額された)が続けられる。

金持ちから税金をとり、経費を認めることで、お金を使う金持ちには税金を負けてやる。そのお金を社会保障に回して、一般庶民のお金を使いやすくする。子供手当てもふくめて、貧しい人にお金をまくのも悪くない。

消費不況が当たり前になると、本当に、金を使わないことになれるそ、「精神構造」まで変わるかもしれない。

でも、金持ちは言うだろう。「もう、製造業は古い」と