昨日の内容で励まされたという受験生からメッセージをいただいた。

その方は受験競争のほうでは惨憺たる結果だったが、かなり深いレベルで恋愛経験もしているし、難しい本や小説もきちんと読んでおられるということだった。

確かに今のご時世そういう人が少なくなっているし、受験勉強もきちんとしないくせに、本も読まない、教養もつけない、大した人生経験をしないという人よりははるかに見込みはある。また受験勉強のほうでも、きちんとした読解力があれば、勉強法次第では、昔と比べて門戸が広がっているので、3科目受験の早慶くらいは狙えるはずだから頑張ってほしい。

ただ、あえて厳しいことを言わせてもらうと、教養のない東大生やEQ能力のない東大生がダメなのと同様、教養だけ高いとか、EQ能力だけ高いというのでは、やはり成功は難しい。両方共を身につけてこそ、エリートとか有能な人間になりえるのだろう(かくいう私は教養もEQ能力も大して高くないので、さほどの成功を収めているわけではないが)。

ということで、私はこのメッセージの主を評価するが、それに甘んじることなく、つまらないかもしれないが、受験勉強のほうもしっかりやってほしい。

年末ということで、いろいろな情報番組が年末特集をやっているが、まじめな放送局は報道のあり方なども論じていた。

とくに問題にされたのは、有名タレントの薬物使用、覚せい剤使用にまつわる過熱報道だ。

確かに私も過熱報道とは思う。実際、よその国では芸能人の話題は、マイケルジャクソンが死んだときなどを除けば、その国の一流紙の一面に芸能人の逮捕などが載ることはない。基本的には、そういうものはタブロイド紙が扱うマターと考えられている。

そういう点で、日本人の品性を疑わせることになるので、この手の過剰報道は避けてほしいと思ってはいた。

しかし、いっぽうで、この話題は、ニュースとして扱うにはましな話題でもある。

要するに覚せい剤の危険性を訴えることには適しているし、一度でも遊びのつもりでやったら取り返しがつかないことを国民に啓蒙する作用は確かにあったからだ。

それと比べて、報道のあり方としていかがなものかと常日頃思うのはやはり自殺報道である。

これは何度も書くとしつこいのであえて書かないが、世界の先進国の中で、自殺報道のガイドラインを守らずに、自殺報道、とくに若い子供の自殺報道で、自殺を誘発している。

ところで、子供の命の問題だが、児童生徒の自殺が近年増加傾向だそうだ。

これは、いろいろな要因が考えられるので軽々なことは言えないが、アメリカでは、校則や制服を撤廃し、教育を自由化し、カフェテリア方式などの生徒の自主性に任せたゆとり教育のようなことをやって青少年の自殺が3倍になったそうだ。日本は受験競争が厳しかったころは青少年の自殺率が精神国の中で唯一下がっていた国だった。

子供にルールと課題を与えるのはメンタルヘルスによさそうだ。

しかし、報道は統計と逆を報じがちだ。太めのほうが長生きなのに、メタボ騒ぎでやせることを勧めるのも同様だ。

こういう報道の客観性や影響のほうも論じてほしい。

実は、これから毎日放送の年末ラジオに出る。(9時からだそうだ)

新幹線がとれずにどうしようと思ったが、思ったより空いていたので、とりあえず座った。ところが車掌は満席だという。だから席を用意できないのだと。新横浜で大量に乗ってくればどうしようと焦っていたが、大して乗ってこず、むしろ隣りの席はあいている楽な状態で乗れた。

ところが、新大阪の間際になって、信号待ちが続く。臨時列車の出しすぎなのか、いかにも段取りが悪い。

JRになってよかったと民営論者はいうが、田舎の交通が不便になっただけでなく、独占の気のゆるみから、まだまだいろいろと改善点が多いと感じさせられた。