情報が画一化し、学校があてにならない時代に、本を読むしかないというメッセージをいただいた。

私も完全な子育てはないが、安全な子育ては情報しだいで可能だと考える立場なので、少なくともいろいろな見解に触れているほうが子育てを後悔しないですむという点で応援したい。

さて、以前、娘が苦学生からPCを盗まれた話を書いたが、裁判が始まったのか、その弁護士さんから手紙がきた。また被告とその親御さんからの肉筆の手紙も入っていた。娘あてなので具体的に読んでいないし、娘からの伝言だが、その学生さんは、どこかの大学の医学部に編入が決まっていて、大学を4年通った上に、また4年医学部にいくことになるので、引越し費用や生活費を少しでも稼ごうと思って犯行に及んだらしい。

もちろん、事情があったにせよ、窃盗が許されるわけではない。でも、この国がヨーロッパの国のように大学の授業料がタダだったり、奨学制度が充実していてのこの学生が犯罪に及んだかなどと考えると、やはり気が重くなる。医者になっていたら、人のためになる人になっていたかもしれない。経済的なことを考えても、地方の医学部の学生は、地方の医者の子供の家庭教師などにけっこう高給で雇われるようだから、学費くらいなんとかなったかもしれない。

しかし、今となっては学校も退学だろうし(学歴は高卒と同じになる)、執行猶予もつかない可能性もあるとのことだ。

さて、そんな手紙をみていたおり、朝のワイドショーでは、中高生の万引きブームの話がでていた。こちらは遊興費を稼ぐためのもので、ゲーム感覚という。もちろん、前者と同じ窃盗罪である。

しかし、いまどき、少年院に入るなどはきわめてまれで、学校が退学になることさえないようだ。

「こういう人こそ、きちんと罪を受ければいい。同じ犯罪者でも不条理だ」というような意味のことを娘が言う。実際、防犯ビデオに堂々と万引きする姿が映っているのに、青少年だけでなく、大人の犯罪者でさえ顔がモザイクで隠されている。

でも、それ以上の不条理は、家がよければ、集団レイプの主犯でも医者になれてしまうことだ。例の慶応大学医学部生の集団レイプ事件の主犯だ。親が老年医学の権威だったので、製薬会社に圧力をかけららしく、21歳の主犯(ほかはみんな未成年だった)は実名報道をされることはなかった。

しかし、その教授は私がある学会のゲストスピーカーが決まっていたのに、「こいつだけはダメ」と圧力をかけてやめさせるくらいの実力者(これは実話である)なので、この人の圧力で、日本では高齢者に薬を減らす研究が10年ほどストップした(最近、解禁になったのかはじめる人がいるようだ)。

年間1兆年くらいの医療費が無駄になったことだろう。

合計10兆円のレイプである。

私自身は、その息子のほうの更正は信じるし、過去に悪事をやっていても、医者になることは、今後を期待したいとは思う。

しかし、息子の尻拭いのために10兆円の国民医療費を無駄にさせた、その男は許せない。

ただ、名誉毀損のおそれがあるため、実名は差し控える。私が万が一国会議員になれば、議会での発言で名誉毀損で訴えられることがないそうなので、実名で、この疑惑を厚生労働省の役人に質問したいが、たぶん、そんなチャンスはないだろう。