昨日は、とりあえず、患者さんのカウンセリングをキャンセルして、自分の腹部MRIを撮る

今日、結果が出ているそうだが、来週行ったときにしよう。

たぶん大丈夫とは思うが、やはり腫瘍というものはいやなものだ。肝炎がないからhepatomaではないだろうが、2箇所あったということで転移なら、来年の今頃は命がないのだから。

夜は、医科歯科で講義のあと、かつての人気番組『ラブアタック』の産みの親(『探偵!ナイトスクープ』の産みの親でもある、大阪の名物ディレクター、名物プロデューサーでもある)松本修氏の還暦を祝う会で、歴代の名物アタッカー(番組を見ていた人しか知らないだろう、第一ラブアタックということばが通じなくなっている)が集結。

講義が9時半まであったので、かなりの遅刻で二次会からの参加になるのだが、そこで市橋容疑者が逮捕されたということで某ラジオ局からのコメント取材の電話を受ける。

残念ながら、今の情報からでは彼の心理、とくに殺人だってまだ立件されたわけではないのに、犯行時の心理などわからないと結果的にお断りする。

ただ、今回の一件で、逃亡は割にあわないということはよくわかる。

もし殺していたとしても、一人であれば自首をすれば10年というところだろう。

27,8歳の犯行のはずだから、模範囚で出てくれば、30代の半ば過ぎには娑婆に帰れる。家も金持ちそうだし、まだまだ楽しめる年代だ。

歯科医のぼんぼんとしては、下手をすると懲役以上の苦労をして3年逃げ回って、精神的にも疲弊して、整形のために、まともにお金も使えず、おそらく逃亡が情状用件としては不利に働くだろう。

小心な人にありがちだが、いろいろとビビリながらの逃亡が伝わってくる。世間が特徴といっているところばかりを整形しようとするから、逆に怪しまれ、その報道で一気に注目が集まった時点で、発見されたのだから。

適当に事件が風化すれば、意外にあるいていても気づかれないものだし、下手な整形よりひげをはやしたりめがねをかけたり、女装しているほうがよほど彼らしくなかったのに。

要するに、逃亡慣れ、犯罪慣れしていなかったのだろう。

それと比べて、結婚詐欺の例の女性は、もし人殺しをやっているとすればホンモノの悪だ。

人を殺して、あわてて死体を隠すより、「死んでいました」ですませたら、まともに警察が調べないことがわかっているのである。

もちろん、一回目に思ったよりちゃんと調べないので、それに気づいたのかもしれないし、どこからか聞いて知っているのかもしれない。

人を殺したら、死体を捨てたり、ばらばらにしたり、あわてて逃げるような小悪人は、かなりの確率でつかまるし、時効も将来なくなるかもしれない。でも、平気で死体をその場においておけば、その死体をまともに調べる確率は10分の1だから、はるかにおいしい殺人方法ということになるだろう。立件が難しそうな事件はハナから調べないから、ホンモノのワルにとってはやり得なのだ。

そんなことを放っておく警察を、今回も日本の警察はさすがに優秀ともてはやしたり、あるいは、日本は殺人の少ない国と信じ込んでいる国民はかなりめでたいことは確かなようだ。