いろいろと私のPC問題について親切なメッセージをいただいて改めて感謝したい。

勇気をもってMACに移行したいのだが、今使っているVAIOがソニーの最上機種だったこともあって、MACのPCを買わなくても、OSのソフトがインストールできるのかが一番知りたいところが。とくにせっかつついているブルーレイのドライブもできれば使いたい。

甘えついでで申し訳ないが、教えていただけると嬉しい。

さて、昨日は成城学園で、自分の映画製作体験についての講演をさせていただく。

その足で羽田にいって夜は精神分析学会の懇親会。1時間ほど遅れたために最初受付が終わっていて、入れてもらえないハプニングがあったが、結局、偉い先生が通りがかって、事なきを得る。

いろいろと懐かしい顔に会い、また『トラウマの精神分析』の翻訳をしたことも評価してもらって大変嬉しい。

さて、夜はかなり知的な人と飲んだ。

で、どういうわけか日本経済の話になる。

とにかく、価値観を変えないといけない、お金を稼ぐ人、一生懸命働く人より、お金を使う人のほうが偉いという価値観に変えないと消費不況が終わらないということは一致した。

問題は方法論である。

もちろん、マスコミの力は重要だろう。でも、彼らが思い通りに動いてくれるとは思えない。
だから何らかの強制力が必要だ。

たとえば相続税を100%にするという私の持論も高齢者に金を使わせるためのものだ。残すと国がもっていくなら金を使うことだろう。

しかし、高齢者みんなが死を意識しているわけでないから、即効性はない。

たとえば、累進課税をうんと厳しくして、その代わり、飲食であれ、旅行であれ、服や自動車や家電品を買うであれ、すべて経費として認めるのならどうだろう。

1億円稼いだ人間が経費を使わなければ9000万円の税金だが、8000万円使えば、残りの2000万円のうち1200万円課税されるとする。1円も使わなければ1000万円の貯金で、8000万円使えば800万円の貯金になる。普通の考え方をするなら、使わないと損と思うだろう。

買いたいものがないからものが売れないというが、使わないと税金にされるなら買いたいものがなくても買うように思える。多少割高でも最上機種の液晶テレビを買ったり、有機ELの20型テレビが100万しても、税金でとられるくらいなら買いたいと思う人もいるだろう。電気自動車が800万円しても、高額所得者が通常なら買わなくても、税金が高い上に経費を認めてくれるなら買うはずだ。

貯金をしたい人には悲惨な税制だが、林真理子さんや秋元康さんのように豪快に稼いで豪快に使う人には朗報だろう。おそらくそのように金を使う経験の乏しい人に、金を使わせる強制力や高いものを買うきっかけになるはずだ。

こんな税制が採用されたらユニクロあたりは困るだろうが、5万円、10万円の服を作っても、今よりはずっと売れる。

昔の中小企業の社長が金遣いが荒かったのは、「税金でもっていかれるのがばかばかしい」からだった。法人税は高かったが経費認定は甘かった。法人税は利益についてしかかからないのだ。

もちろん、これで短期的に消費が回復しても長続きするかどうかはわからない。でも、景気の火付けにはなりそうだ。

私の持論には相手も賛成してくれたが、一言「そうすれば、より格差が明確になりますね」

確かにそうだ。格差が大きくても金持ちが金を使わないから格差は意外に目立たない。逆にこの税制で金持ちが金を使うようになったら大衆の嫉妬感情が余計に増す危険もある。これは消費にブレーキをかける。心理と経済というのは、この難しさがある。