日本郵政の西川社長が追い出されるように辞めることになり、同情論も出ている。

ただ、民営化したといえ、株はみんな国がもっている国有企業なのだから、株主が社長を本来は解任できる。

逆に言えば、株を売り出して、郵便事業を自分の都合のいいようにやりたいという大株主がでたら、それで振り回されるリスクもある。

株の公開というのはそういう意味のあるものだ。

ただ、逆にいうと、日本郵政は時価総額で数兆になるはずだった会社だ。ここの株を売らないと国の借金は減らない。

資本主義の原則をとるか、弱者救済を優先するか、それこそ民意を問わないといけない。

実際、貧困率は上がる一方だ。ただ、よそも上がっているので、順位はましになっているということらしい。

で、そういう格差社会の悲しさを感じさせる事件があった。

娘が大学の図書館でPCを盗まれてしまった。

買ったばかりの物で、相当落ち込んでいたが、いっぽうで大学の図書館でPCを開いてトイレにも行けないというのは由々しきことと私も思った。

その犯人がつかまったらしく、まだ売り飛ばされていなかった娘のPCが返ってくることになったと喜んでいた。

ところが、喜びもつかの間のような話を聞かされた。

その犯人は大学生なのだが、理系の大学生は院を出ていないと就職が難しく、アルバイトだけでは生活費や学費が追いつかずに犯行に及んだそうだ。

おそらく退学だろうし、逮捕もされている。起訴されれば前科者にもなる。

この苦学生の将来はどうなるのだろうか?これまでの勉強もちゃらになる。実は大学中退は就職上は、高卒と同じ扱いだし、前科者だとまともな就職も難しいだろう。理系だから医学部に再受験で合格の可能性もあるが、親の力で不起訴になった慶應の集団レイプ犯は医者になれても、生活のために泥棒をやった人間は、おそらく医師の資格を得られないだろう。

それこそ、泥棒の腕で食べていかなければいけなくなると、私が嘆いたら、娘は「こんなに簡単につかまるのなら大した腕じゃないよ」という。

それもそうだ。

なれない泥棒をするからつかまるのだろう。プロならばれないようにやるし、人に罪を着せるのも平気だ。

痴漢でも本当のプロは、一人間をおいて犯行に及び、気の毒にその前に立っていた人がえん罪で捕まるそうだ。もちろん、警察は捕まえたら、代用刑事施設で自白においこむか、示談にもっていく。

世の中は、ホンモノの悪には都合がいいようにできている。真犯人が名乗り出ない限り、DNA鑑定で調べられるような事件でない限り、えん罪ははれない。

医者が医療ミスをすれば膨大な賠償金を請求され、逮捕までされるのに、警察が誤認逮捕をして、自白を強要し、検察もいい加減に立件して、さらに裁判所も推定無罪の原則を踏みにじっても、誰一人として、罪にならないし、損害賠償も国が代わりに払ってくれる。

カメイのいる限り、これは変わるまい。

来年の参議院選挙で民主党が単独過半数をとれば変わるのか、それとも自分が捕まるのが怖いからカメイは大臣にいすわるのか?