件になってたブログ人から反論来てますよ。(「日本経済をぼろぼろにする人々」)突っ込まれて困るということだったら、そもそも気軽に有名人が口にしてはいけないだろう。気にしてると言ったなら、きちんと論破できるのが筋だと思うが。

というメッセージがきた。

突っ込まれて困るというのはどういうことだろう。

香山リカにつっこまれて、勝間さんが困るのだろうか?むしろ香山さんの本が売れると同時に、勝間さんの本も売れる。たとえば、私が、鳩山さんや橋下さんにボロクソに批判されたら本は売れるだろうし、むしろこっちだって、言いたいことが言いやすくなる。

今回は相手がザコすぎて、反論してもメリットがないというだけの話だろう。

気にしているという点では、気にしている。私の考え方にどんな批判がありえるのかというシミュレーションはなるべくするようにしているが、現実の批判は予想外のところからくる。考え方としては、常に批判を参考にさせてもらっているし、「和田先生の考え方はすごいですね」といわれても、嬉しいが、こちらが賢くなるわけではない。

ただ、このメッセージの主が、私に親切で「こんな批判がきていますよ」と教えてくれる人だと思っていたが、人間というのは、感情的になるとボロを出すのだろう。言葉遣いを見る限り、ご本人か、その仲間なのだろう。この方と仲良くなれる気がしないので、メッセージそのものは今後は相手にしないことにしたい。

昔、週刊金曜日でボロクソにかかれたときに、ご親切に編集アドバイザーをしている学者の方から教えてもらって、あの雑誌は批判した人からの反論を掲載してくれる良心的な雑誌だからということだったが、反論を送ったところ、まったく無視された。

その学者の方も、「建前だったんですね」とあきれていたが、マスメディアはそういうことができる。

ブログに関しても、相手が超有名人なら、一方的に人の名誉を傷つけることは可能かもしれない。ただ、今回の場合は、相手が匿名なので名誉の傷つけようはない。

私自身は、昔新左翼の人たちと、精神科の解放運動をやっていたので、論破という幻想や、論破というむなしさがよくわかっている。

ただ、それ以上に、自然科学でさえ、今のほとんどの学説が仮説であるのに、経済学や心理学で、真理などありえないと思っている。だから、論破ができるという考え方そのものが私にはなじまない。論破したつもりになることはできても、論破はできないだろう。本当の真理を発見したなら、その人はもっと成功者になっているはずだろうが、残念ながら偉い人(私は違うが)を論破した気になっている人で成功者になる人はまずいない。

どちらが役に立つかは時代のコンテクストによるだろう。生産性が足りない時代なら、生産性をあげるような考え方のほうが役に立つだろうし、今のような消費不況なら消費を増やすような考え方が役に立つだろう。

臨床心理学の理論だって、いくつも知っている中で、今の患者さんにいちばん役に立ちそうなものを選ぶしかない。

あとは、弱者に対する保護をどうするかというのも、現実を見ながら対応していくしかない。

確かに著書の中では、言い切っていたり、相手を論破するような言い方になっているようなところがあるのは多少反省するが、基本的には、私が、こっちのほうが役に立ちそうだという提言であるし、仮説である。ただ、地球が丸いとか、人類は動物から進化するとかいう仮説が言えない時代より、仮説はどんどん言うべきだし、私に対する批判をするのも勝手だ。ただ、それに反論するとか、相手にするかどうかはこちらが決めることだというのも当然の権利だ。名誉毀損の場合は、それが法廷で白黒をつけるという形になっているだけのことだろう。

何度も言うが、経済などというものは自由にさまざまな仮説を出すべき種類のものだし、その中で為政者が採用することはありえるし、うまくいくときもうまくいかないときもある。うまくいかないときに別の仮説を採用してほしいというのは、私の庶民としての願望である。

さて、余談が長くなったが、昨日、小田急線の踏み切りでひどいことがあった。

工事中のために、工事車両を通すために、ガードマンが車を止めることがあるので、私もその制止にしたがって車をとめた。しかし、30秒ほど待たされたあげく、工事車両はこないし、踏み切りも閉まってしまった。

「なんのために、制止したのか?」と問うと、「もうすぐ踏切がしまるから」と言う。「踏切がしまっていないのだから、渡れたのではないか?」と再び問うと、「それは個人差がありますので」と答える。

もし、このガードマンが、踏切が閉まる前から車を停めるように上司なり、会社なり、小田急に言われたいたとすれば、小田急線の踏み切りは、個人差によって、自動車が渡れない設定になっていることを意味する。

では、ガードマンのいない踏み切りは危険ということになる。通常は、個人差があってもわたりきれるように、電車がくる数十秒前とか1分前とかに閉まるように設定してあるはずだし、そうでないことは許されない。

もし、ガードマンがそういう指導を受けていないのに、勝手に車を停めたとすれば、後ろにひどい渋滞を作っている。その責任をどう考えるのか?

そうでなくても、工事で自動車に迷惑をかけているし、普段より踏切がわたりにくくなっているのだから、ガードマンはむしろ交通を円滑にするためにいるはずだ。

第一、自動車というのは、アイドリングのほうが排ガスも多いし(モチロン、ハイブリッド車は違うが)、地球環境にも悪いはずだ。

小田急は、この問題について見解を示すべきだ。(とくに前者の踏切が、その前から停めないと危ないと認識しているかどうかについては)

おそらく無視されるから、小田急株を買って株主総会で聞いてやりたい気分になった。