メッセージで気になったことへの簡単なレスポンス

麻薬と向精神薬の取締りがいっしょくたになって、法律の名前も麻薬及び向精神薬取締法というのは、メンタルヘルスに偏見をもたらすのではないかというメッセージ。その通りなのだが、一方で、たとえば緩和医療に必要な医療用の麻薬を含めて、医者のライセンスのもとで取り扱えるものも多いし、それにルールを課す必要性はある。日本の場合は、麻薬の定義があいまいでころころ変わることもある。ハルシオン騒動の際も、医者がいい加減な処方をして(しかも暴力団に売って)濫用を招いたという問題も生じる。麻薬だけでなく、向精神薬も取締りの対象というのは仕方ないかもしれない。ただ、覚せい剤の取締りには独自の法律があるので、麻薬取締法と向精神薬取締り法をわけたほうが、麻薬でつかまる芸能人がでるたびに、この法律の名前が出てくるのを避けられるかもしれない。

北方領土に住む漁民もいるはずだというメッセージ。私もいるはずだとは思う。ただ、たとえば釧路に住んで、北方領土には漁港を作って、ふだんは釧路に住んでいるとかいう人も今の北方領土のインフラでは起こるだろうし、また住む人の数もロシア系の先住民より多くなるとは思えない。返してもらうだけでなく、それ以降にどれだけの金をそこに政府が注ぎこめるかで状況は違ってくるだろう。昔の若者と違って、今の若い人が多少お金になってもつらい生活を嫌がるようになったこともあって、私はそう楽観していない。若い人が住まない過疎問題があれば、そのあとのフォローもけっこう難しい。

さて、亀井大臣のモラトリアム発言が物議を醸している。

私は、前にも書いたが亀井という人をまったく信用していない。何らかの利権がない限り、こんなことをやらないと思っている。

当初は、竹中元大臣が、UFJ銀行を潰して三菱の傘下においたように、金融大臣がどこの銀行を潰せるかを決める立場であることをshow offするためのものかと思っていた。俺に逆らうとお前の銀行は潰すぞという脅しがかけられたら、銀行の献金も増えるだろう。

もちろん、その要素もあるかもしれない。

本日、「特ダネ!」という情報番組の生出演を見ていたら、やっと本音をボロッともらした。

「法律を作ったからといって一律に適応するのでなく、受け手の中小企業や金融機関の状況をつぶさにチェックして、ケースバイケースで対応する」という発言が出たのだ。

これぞカメイ流の真骨頂だ。

日本の警察にしても、守れない法律(たとえば未成年者禁酒法など)をいっぱい作っておいて、警察が気に入らない奴だけをつかまえて、ほとんどを非合法黙認にしている。パチンコの景品交換だってそうだろう。

要するに法律があっても現場の判断で何でも決められるから利権が生まれる。しかも、末端の人間にまで。

国民新党の各地方支部に泣きつけば返済猶予で、そうでなければケースバイケースの原則で、返済猶予が受けられないということがこれで可能になる。

法律より現場の判断が優先(人殺しでさえ、警察が事件性がないと判断すれば、まったく捜査されないから芸能関係者がからんだ死亡事件は、たいがい捜査の対象外だ)するのなら、賄賂の温床になる。今はどうかしらないが、東南アジアなどは、そんなことが当たり前だった時代があった。こんなものは法治国家とはいえない。

しかし、亀井氏は自民党時代から、法律があるからといって厳密に適応すると世の中は回っていかないと平気で言い放って、日本の政治家で有数の金集めのすごい政治家になっている。

現場の判断で中小企業でも、銀行でも金を返さなくていいか、返してもらえるかが決まる社会。

金が動くかどうかは(おそらく動くだろうが)ともかくとして、与党側に近い人間は返済猶予で、気に入らない奴は返済を迫られる。審査の結果と言われたら、逆らえないだろう。

やはりカメイという人は天才政治屋だ。