大学入学年齢の弾力化についてのメッセージをいただいた。

その通りだと思う。学力が高ければ、15歳で東大に入る人がいてもいいし、自分の足場をきちんきちんと固めていって、25歳くらいで入る人がいてもいい。

木村美紀さんと対談した際に話題になったが、現役で合格しようとしたら、短い期間に能率よく確実に頭に入れていくトレーニングになるという話になったが、その側面は私も認める。しかし、受験勉強などやるものが決まっているのだから、現役にこだわらず、2年計画、3年計画でやっていくのなら、かなりレベルの高い学校を目指せるのも事実だ。要するに現役で受かろうとして、広く浅くの受験勉強をしても、浪人の際に意外に伸びない。現役のときを捨てるつもりで、やるべき受験勉強の半分を1年目で固めておくと2年で合格の芽が出る。

中学レベルがきちんと履修できていないのなら、中学で1年留年して、それを身に着けてから卒業できる制度もあっていいと思う。フィンランドはその考え方でやっている。

全員が18歳で卒業し、ほとんどが現役か1浪で大学に入るほうが不気味だ。少子化でますます現役が増えているから、浪人率が高い東大のような大学にいかないと、そういう人から刺激を受けることもできない。

さて、昨日のブログで、割にあっても、戦争はいけないことだ、人が人を殺すことがいいわけはないというメッセージをいただいた。

おそらくその考え方は正しいのだろうが、悪いとわかっていても、軍備を拡大したい、強い国にしたい、戦争がなければ、ならずもの国家は退治できないと考える人は少なくない。

そういう人といいか悪いかで議論しても、おそらくは平行線だろう。「お前はまだ子供だ」「甘っちょろい」とさえ言われるかもしれない。

でも、そんなことをしていると、おたくの国の経済がなりたちませんよ、という話なら、少なくは聞く耳をもつかもしれない(損でも、ならず者国家をつぶすのが国際社会の義務だという考え方も強いが)。

人が人が殺すことにしても、それは絶対悪だから死刑反対という人はたくさんいる。しかし、それで殺人が増えて殺されるというときに、全体として殺される数を(殺人で殺される数+死刑で国に殺される数)最小にするのが、合理的という考え方もある。

いずれにせよ、戦争がいい、悪いは哲学の問題であり、戦争が損か得かは経済の問題である。資本主義社会では、後者が政治や社会を規定する(この論理が成り立たないから、共産主義国や独裁国家が怖いのだが)。

いい悪いというのは、主義主張の違いということになるのだろうが、損か得かというのは、バカかリコウかの違いになる。戦争が損だとわかっていて戦争をするのは、その政治家が無能で、バカだということになる。

私が石原莞爾を尊敬し、A級戦犯を嫌うのは、前者がリコウで後者がバカだからだ。あの時点では、戦争によしんば勝っていても、国民生活は疲弊し、戦後不況は避けられなかっただろう。富国強兵だって、薩長の考え方かもしれないが、そのころまでは薩長の考え方も賢かった。薩長の考え方がすべて悪いというつもりはない。勝てる戦争でも日中戦争は、当面避けないといけないというところから、計算力のある頭のいい政治家や軍人と、パンパカパンの軍人や政治家の差が出る。平和に対する罪ではなく(そんなのなら連合国だって同じだ)パンパカパンだったから死刑にされたのだろう。

戦後政治の総決算とかいうが、戦後政治は富国に重きを置いた政策だった。バブル期までなら、常任理事国入りも、9条改正も許されても、今のような不況期に強兵という考え方は許されるとは思えない。国の借金が800兆もあり、年間3万人以上の自殺がいるのだ。そして、民主党にも自民党にも富国政策が欠落している。

北朝鮮のリスク計算についてもう少し説明すると、北朝鮮がやけくそを起こして日本人が死ぬ予想値を20万人として、やけくそを起こす確率を1/100とすると、期待値が2000人になるので、痛みを伴う改革で毎年死んでいる1万人より(これは一回の数でなく、毎年の数である)少ない計算だ。

ちなみに、最近、核兵器は地下にはきかないという考え方も強く、予想値は20万人をはるかに下回るだろうし、やけくそを起こす確率は1/100より私は小さいとみているが。

地震で20万人死ぬかもしれないからといって、国民の福祉を打ち切ってまで、地震対策に毎年10兆使うといって支持が得られるだろうか?全国レベルでやるなら数百兆かかるだろう。でも、その雇用効果や経済効果は大きい。しかし、軍事費は、その効果も小さい。

まともなリスク計算をしてほしいという話をしたかったのだ。

さて、私は戦争がいいか悪いの話をしたいのではないし、戦争絶対反対の「いい人」ではない。

ブログの読者も、私が「いい人」であることを期待しないでほしい。

国の教育を憂えるのも、自殺を見ていられないのも、自分の損になっても累進課税を復活して、相続税を100%にせよというのも、私が善人だからではない。そのほうが日本のためになるからだ。

フリーエージェントや逆指名を廃止して、ドラフトを完全ウェーバーにしろというのも道徳の話でなく、広島カープが好きだからであるのと同様に、私の政策提言は、この国が好きだからしているのだ。

残念ながら、私は「いい人」ではないし、中年のエロ親父だし、ぜいたくも好きだ。

そういう人が書くブログは嫌だというのなら読んでもらわないほうが気が楽だ。

ただ、思った通りを書いているので、偽善のつもりはないし、うそは書いていないという(間違いは書くかもしれないが)信用はしてほしい。