最近、メッセージを受けることが多くなった。

いつもいただく方から、一言私のメッセージを伝えたいが、私は自分も東大を出ているし、東大を出ているのに、母校の仲間を悪くいって、ゆとり教育政策を導入し、貧乏人が東大にいけない環境をつくった元文部官僚の人と違って、東大卒にもいい奴も悪い奴もいるだろうが、個人的には性格のいい奴が多いし、それなりに一生懸命考え、生きていることは伝えておきたい。問題は、マスコミを通じた愚民化政策と、ゆとり教育などのおかげで、貧しい人が東大にいくチャンスがものすごく減ったことだろう。だから、今の若い東大生は我々の世代と違って、貧しい人に共感できるような人が減って、民青などはかなり勢力が弱まっているようだ。ただ、先日、人権問題の自主ゼミに出たが、まだまだ東大にも弱者に共感できる学生はたくさん残っている。東大卒に中卒の気持ちはわからないといわれればそれまでだが、昔はそれに近いものがあったのに、格差社会とゆとり教育などで、東大に行く人がますます大衆と乖離していくのは私にもひしと感じられる。ただ、貧しい人にチャンスを作る社会設計を勝ち組がやるか、革命が起こるか、戦争に負けるかしか社会は大きく変わらないのだから、前者を目指すしかないというのが私の考えだ。

国会議員の方からもメッセージをいただいた。根が単純なので、成功者の方からの激励は嬉しい。

私も言論活動をしている以上、日本がいい方向で変わって欲しいからだ。

いずれにせよ、メッセージが増えたおかげで、お返事とか、その質問に対する回等がブログの中でできなくなっているのは残念ではある。

今回は、一つ気になったメールへの回答。

小学校4年生で中学受験勉強をされているお子さんをもたれている方が、いつからスイッチが入るのか、いつからやる気になるのか、いつから伸びるのかという話。

私が、ゆとり教育と文部科学省とマスコミがグルになって公立名門校つぶしをやった一番の害毒は、それに伴う受験の低年齢化だと思っている。

公立からでは東大に行けないのでは、貧乏な人と遅咲きの人のチャンスを奪う。

実は、うちの弟も遅咲きで、小学校低学年までは、特殊学級入りも検討されたくらいだったし、灘中受験も撃沈(というか、とても受けられる成績でなかったのに、どうしても受けたいと言って受けた)、滑り止め学校に入ったのはいいが、そこでも不適応で、登校拒否まがいのことを起こすような子だった。

残念ながら、中学受験の場合は、向き不向きがある。まだ成長に個人差があるし、抽象思考の問題が多いので、できる子はできるが、できない子がかなり努力してもダメなことがある。

大学受験の場合は、最悪暗記数学でいけるし、英語は努力でカバーできる。基礎学力だけしっかりつけて、大学受験でリベンジということで、あまり焦らないほうがいいというのが私からのアドバイスだ。子供がコンプレックスやあきらめをもつのがいちばんまずい。

ところで、ラジオをきいていたら、電車か何かの暴行事件で、6割とか8割が飲酒をしていたといったような統計の話をしていた(ネットで確認したがみつからなかった)。

さて、このような統計結果をもとに、飲酒をする人が危ないから電車に乗るのを禁止するという法律ができたらどうだろう。

「そんなことをしたら、帰る手段がないので、タクシー代が払えない人が仕事が終わった後、一杯飲めなくなる」「飲食店が次々に潰れて、景気が余計に悪くなる」「飲酒をしても多くの人は暴力を振るわないのだから、暴力を振るった人だけ捕まえるなり厳罰化すればそれでいい」

という反論が聞こえてきそうだ。

でも、これはまさに地方の人が飲酒運転厳罰化をすることについてもいえることばかりだ。地方の人のほうが収入が少なくタクシー代が痛い。地方の飲食店はそうでなくても景気が悪いのにばたばたと潰れている。
飲酒運転をする人がすべて事故を起こすわけではない(来週、発売される『エビデンス主義』――角川SSC新書――にも書いたが、むしろ夜間運転の場合、一般ドライバーがスピードを出しすぎる傾向にあるので、飲酒運転のほうが死亡事故を起こす確率が低い可能性がある。少なくとも飲酒運転を厳罰化してからのほうが、夜間死亡事故の割合が増えているのだ)から結果責任でいい。

東京のマスコミも東京の文化人も地方の人のことなど何も考えていない。

実は、酒を飲めば、暴行をする可能性も、レイプや痴漢をする可能性もすべて増える。それでも、禁酒法にしないのは、それなりにメリットがあり、ストレス解消などの役割もあるからだろう。

仲間と飲むと、お金がない人間は家に帰れないような措置が可能なのは、全国のすべての県警本部長が東京からきた警察官僚だからだ。これこそが地方自治を阻害している。

アメリカでは、飲酒運転の厳しい大都市部と、そうでない地方の取り締まりはぜんぜん違う。飲酒運転のアルコール濃度の基準も州によって違う。

地方分権は、地方でこの手のことを決める権利を確保することと東京発信の情報で洗脳されないように地方にキーメディアを分散させることが第一歩ではないのか?