昨日、中川前財務大臣やくさなぎつよし氏が、診断基準上はアルコール依存にあてはまると書いた。

おそらくは、本人が知れば不愉快だろうし、ファンの中では怒る方もいるかもしれない。

しかし、私が言いたかったのは、世間ではあの程度では病気でないと思うかもしれないが、おそらくは将来のために治療を受けたほうがいいし、また治療を受けると治る。現実にブッシュはそれを克服して大統領にまでなったのだ。

たとえば血圧が少し高ければ、薬を飲めと言われて素直に受け入れる人は多いだろう。しかし、人が考えるのと比べて、放っておいて死ぬかというと、日本の脳卒中はかなり少ない。脳卒中が多かった頃のなごりで高血圧が恐れられているのだ。

しかし、アルコール依存はほうっておくと、うつ病になったり、自殺に至ったり、社会生活が営めなくなるリスクは大きい。中川氏やくさなぎ氏は精神的に強いかもしれないし、頭もいいかもしれないから放っておいても大事に至らないかもしれないが、一般の人であのレベルの症状が出ていたら、治療を受けたほうが無難なのは間違いない。しかし、日本には精神科の病気やアルコール依存への偏見が多いので、病気と認めない人は多い。

それと比べて、ちょっとしたことで、重病だと思われているのが、今回の豚インフルエンザ騒ぎだ。

新型インフルエンザには、怖いものも、一般のインフルエンザレベルのものも、それより軽いものもあるだろう。新型なだけで、みんながすごく怖いわけではない。

今回の場合、メキシコ以外の人に感染しているのに、不思議と軽症で終わっている。おそらく、旧来のワクチンを打っている人は重くならないとか、タミフルが利くのだと想定されている(油断はいけないのだろうが)。

新型だと一大事と騒ぎすぎるのも、かえってパニックが生じてしまう。

病気であれ、犯罪であれ程度がある。

ところが、日本の場合は、白か黒か、病気か健康かという二分法で考える人が多いし、程度をあまり考えない。

小沢問題で、小沢氏の肩をもつ気はないが、犯罪の程度はかなり軽いし、しかも秘書のやったことだ。でも、白か黒かの二分法だと黒になってしまう。

インフルエンザだって、即座にワクチンを開発しないといけないほど程度のひどいものも、旧来型と同じ対応でいいものもある。

二分法から程度を考えられる考え方に変わることが、心の健康につながるし、頭の使い方もよくなる。

そのために、私の『人生の軌道修正』を読んで欲しい。

発想パターンが変わるヒントになると信じている(最後は、宣伝で申し訳ないが、私の久々の自信作なのは確かだ)。