以前、誘われていたのに行けなかった名古屋のあんこう鍋の名店、得仙に行った。

めったにおいしいといわない三枝成彰さんがおいしいというのでけっこう期待して行った。

得仙という店は川沿いにあって(地元では船入町というそうだ)、確かに目立たない。

この店は、目立つ必要がないことがわかった。

要するに予約が、通常のやり方では取れない。

私もきちんと理解しているわけではないが、二つ部屋があって、両方の部屋に幹事がいる。

その幹事が16-20人集めると、その日の食事が用意される。

その後で、次の予約の日が指定されるのだが(これはいくつか選べるとは思うのだが)、その日に、今日来た16-20人のうちに、次は来ない人の分だけ、幹事が別の人を誘うことになる。

幹事が誘いきれなくなって降りた場合は、別の人が幹事に立候補するか、その会は流れる。すると空く日ができるので、一般からの予約が可能になるようだが、そういうことは滅多にない。

実は私も林真理子先生がいけなくなったので、代わりに行くことになったのだ。

味のほうは確かにおいしい。

最初に出た刺身や、スープに溶かすためのあん肝は絶品だし、鍋のだしをとるのに、イセエビや牡蠣を使う。

もちろん、だしをとった後食べるのだが、これも旨い。

ただ、アンコウを食べていると酒の回りが速いらしい。

気をつけてのんだつもりだったが、けっこうヘロヘロになった。

次はすっぽんに誘われるそうだ。