本日は、私の勤務先の国際医療福祉大学の大学院の入試の二日目で、教員として面接を行った。

ここの大学院は、場所も青山一丁目というロケーションだし、たくさんの付属病院もあって臨床実習がしやすいこともあって人気がけっこうあがっている。

でも、それ以上に私が誇りたいのは、心理学の大学学部を出ていなくても受験しやすいことと、社会人を歓迎していることだ。本日も最高65歳の方まで受験に来られた。

臨床心理士というのは、もちろん理論も大切だが、人生経験も役に立つ分野だ。

私の学んできた精神分析という一種のカウンセリング(というと怒る人もいるが)にしても、創始者のフロイトは83歳で亡くなる間際まで現役だったし、娘のアンナ・フロイトも86歳まで現役だった。
私の留学先のメニンガー・クリニックの創設者のカール・メニンガーは97歳で亡くなるまで精神分析を行っていた。私が一時師事した土居健郎先生は88歳の現在も精神分析を続けている。

65歳で合格して、67歳で臨床心理士になっても20年も働けるのである。

心のケアは大切な問題だ。

もちろん高齢者にとっても、若者にとっても大切な問題だ。44歳までの死因のトップが自殺という国なのだから。

だとすると、たとえば子育てが終わった女性とか、定年後、本当の意味で若い人の「相談役」になりたい人が学ぶにはいい学問だ。

確かに大学を出ていないと大学院に入れないが、放送大学で卒業資格をとった人も何人も受けに来ていた。

私は、心から彼らが臨床心理士になることを応援したいし(意外に試験が難しい)、この大学院でも歓迎したいので、興味のある方はどんどん受験してほしい(定員が今のところ25人なのが寂しいが)