総務省とテレビ業界が下請けいじめをなくそうという自主ルールをまとめたそうだ。

こんな自主ルールなんてと思っていたが、報道では違反行為があると公正取引委員会が勧告したり、総務省も調査を行うなどという方針が報じられており、意外に本気かもしれない。

私自身、キー局の人間が私の年代で2000万円もの年収を得て(官僚の給料が高いのはぼろかすに叩くが)、下請けはワーキングプア状態だし、「あるある」のときのようにMCに1本500万円払うためにVTR部分の制作費が海外ロケを含めて、1500万円だったのが半分くらいにされていたのを聞いて、許せないと思っていたため、このニュース自体は喜ばしいと思っているが、なぜこの時期という不思議さを感じないわけではない。

実際、私の知るテレビ関係者の誰に聴いても、テレビ局の経営は相当苦しいらしい。つぶれる局も出るのではないかという人もいる。

じゃ、給料を少しへらせばいいじゃないかと言い返してみると、「そんな甘いものやない。この4月から年間で300万円は減りそうだ」という。経費もほとんど使えず、タクシー券で帰っていた時代が昔話のようだとも言う。

それ以上に怖いのは、スポンサーが番組の提供などしなくてもいいと気づきだしたことだそうだ。要するに高い金を払ってスポンサーになるより、スポットを買ったほうが、ずっと安くて好きなときにCMを流せるという当たり前のことがばれてしまったというのだ。

そんな時期に下請けを叩けなくなれば、本当にテレビ局は危ない。総務省は何も考えずにやっているのか?あるいはあまりに政府を叩くので、嫌がらせを始めたのか?あるいは、再編を目指しているのか?

もう一つ、不思議なのは、このニュースを報じたのが朝日新聞だけだということだ。

テレビ朝日の経営が怪しいといわれているのに、親会社がこんな報道をあえて流すのは不思議な話だ。朝日新聞がテレビ朝日の株を売却して、テレビ朝日にも朝日新聞の議決権が生じたからなのか?次期社長にテレ朝の生え抜きをさせないための布石か?

少なくとも、今後テレビは変わっていく。ギャラの高いMCが次々と切られて、新しい顔がどっと出てくるそうだ。

ちょっとは面白くなってくれるといいが。