昨日はエンジン01のボランティア活動で、沖縄の昭和薬科大学の付属中学で出張授業

三枝成彰さん、林真理子さん、藤原和博さんのいつものメンバーに山本益博さん、ジャーナリストの秋尾沙戸子さんというかなりすごい布陣である。

この学校は、沖縄で中高一貫教育を行うことで東大合格者を昨年は9人も出して、今いちばん伸びている進学校だそうだ。

私は中1と中2の全生徒を対象に講堂のようなところで講義というより講演のような授業をやることになったが、今時の中学生にしてはレスポンスもよく、質問が大量に出て、30分ほど予定を超過してしまった。

これまで公立学校にばかり呼ばれていたし、地方の公立学校の建て直しをテーマにしてきたので、この手の進学校は初めてだが、残念ながら、ちゃんと勉強をしてきた、させられてきた学校の子のほうがはるかにしっかりしている。

林先生が、県民所得の低い沖縄でこんなに教育熱心な人間が集まり、私立の学校に行かせるのだから、裕福な子弟が多いのでしょうとおっしゃっていたが、その通りだと思う。医者の子供化何かが集まっているのだろう。

沖縄から東大や医学部にいけるようになることはいいことだが、金持ちの子だけでは格差が拡大してしまう。

1,2週間ほど前にAERAで県立千葉高校が付属中学を作ったとのことで、そこの校長のインタビューがでていたが、進学に特化した教育をしない、先取り学習もしないと言う。

文部科学省がゆとり教育を押し付けたのだから、それに対抗するのは地方自治で許されるはずだし、そうしないと貧乏な家の子のチャンスが奪われるのに、あえて、それをしないという。

おそらくは、この学校からも東大に大量合格するだろうが、それは塾の力だ。東京の学芸付属なども、先取りをやらないから塾に行かないと東大に入れないとされる。

何のための国立、何のための公立かわからない。

もちろん公立学校のすべてが進学校になれというつもりはない。ただ、貧しい人のチャンスを作るために、公立学校というのは多様なものを用意して、選択の枠を広げるべきだろう。その中の一つに進学に特化したものを作ってもいいはずだ。

勉強をすると人間が思ったより活き活きする。昨日の子どもたちもなかなかよかった。そういう点では沖縄にカンフルを与えているのに、一部の子どもたちだけ、しかも勉強ができるとか、勉強が好きな子どもたちのためでなく、金持ちの子どもたちのためなら、アメリカと同じだ。奨学金が充実しているアメリカのほうがましかもしれない。